- 胸が小さいと、胸元があいた服を着ると貧相で魅力的でない…
- 反対に大きいと、肩がこるし、胸がきつくなりがちで、洋服選びに苦労する…
胸の大きさが変化する原因と対策
(2019.12.31 追記)
理想のバストをキープするのは、難しいですよね。「毎日、セルフマッサージしているのにハリがなくなってきた」など、バストケアに努めていても大きさや形が変化することもあります。
デコルテ部分が痩せる「そげ胸」が進行し垂れてしまったり…ブラジャーの片方だけ隙間ができてきたり…
しかし、その原因が日常生活の習慣による場合もあるようです。つまり、効果的な改善方法は、日常生活での心がけともいえるでしょう。
バストサイズのコンプレックス
胸に対するコンプレックスを持つ女性はたくさんいます。
といった悩みがあったり。
さらには、
- 垂れてきた
- 左右の大きさが違って下着選びが難しい
など、悩みは尽きません。女性らしい理想のスタイルを語る上で胸の形や大きさは、外せないポイント。
しかし、胸の本来の目的は、赤ちゃんに母乳をあげるためです。子育てに大切な乳房は、産前から産後、断乳後に向かうプロセスの間で大きく変化します。
それらの変化にともない、胸に対するモヤモヤも変化し、戸惑う人も多いもの。また、乳がんに怯える人も少なからずいるでしょう。
もしかすると、美しい胸とは、健康な胸かもしれません。ご自身の胸について、見つめ直してみましょう。
胸の構造
乳房の内部は、ほとんどが脂肪と乳腺でできています。乳房は、結合組織であるクーパー靭帯と皮膚で支えられています。
- 乳腺は、15~20の乳腺葉で構成されていて母乳をつくる組織です。妊娠から断乳後の期間に大きく変化します。
- クーパー靭帯は、美しいバストの維持に影響を与え、乳房の皮下筋膜と大胸筋と乳房の間にある筋膜をつなぐ役割を担っています。
主成分はコラーゲンなので、復元力はなく一度伸びてしまうと、元に戻ることはありません。これが、乳房が垂れてしまいやすい原因。
つまり、乳房の下垂を食い止めるためには、クーパー靭帯の伸びや損傷を回避することだといえます。しかし、加齢に抗うことは難しく、下垂は誰でも経験する胸の変化です。
だからこそ、日常生活の習慣で、クーパー靭帯の伸びや損傷を少なくし、下垂を遅らせるようにしたいものです。
胸の変化の種類と原因
胸にまつわる悩みやコンプレックスは、
- 下垂
- 左右非対称
- 胸のしぼみ
に象徴されます。
これらの胸の変化に悩んだり心配したりしている女性は少なくないはずです。思春期に胸が膨らみはじめてから、歳を重ねるにつれて胸の大きさや形は、変化し続けます。
特に妊娠から授乳期間が終わるまでの大きな変化に、驚かされる人もいるでしょう。さらに、出産後の育児の忙しさもくわわり、気がついたら
- 胸が垂れていた
- しぼんでしまった
と、困惑してしまうでしょう。
また、ブラジャー選びで困るのが、左右非対称の胸。姿勢の悪さや片方の手や肩ばかり使う習慣やテニスなど片側の体に負荷をかけるスポーツも原因になるでしょう。
しかし、足や手のサイズや形が違うように、人間は左右対称ではありません。過度に気にすることはないようです。
すべての世代で起こる胸の変化
胸の形が変化する原因は、加齢だけではなく日常生活の習慣や癖にもあるようです。つまり、胸の下垂や左右非対称などの変化は、若い女性から高齢の女性まで、すべての世代で生じえる悩みなのです。
胸の垂れは、加齢によるものから胸自体の重さや出産によるものまで、さまざまな要因で起こります。さらに、急激なダイエットにより胸のハリがなくなることも、下垂の原因になるようです。
また、左右非対称の胸は、姿勢の悪さや胸にかかる負荷の左右差などが原因とされています。加齢や出産による変化などは、避けることが難しいですが、日頃の心がけで防げる変化や進行を遅らせることのできる変化もあります。
姿勢を良くしたり、自分の胸に合ったブラジャーを着用したりなど、手軽なところから生活を見直すのも良いかもしれません。胸の大きさや形の変化の原因を知ることで、理想のバストに近づきましょう。
- ハリがなくなる
- ボリュームがなくなる
- 位置が下がってくる
など、垂れた胸は理想から遠いものです。乳房は、約9割が脂肪でできています。
その重みを支えているのが、コラーゲン繊維でできた「クーパー靭帯」。乳房に筋肉はなく、乳房を支えるクーパー靭帯が伸びたり切れたりすることが、「胸が垂れる」という状態になる大きな原因といえるようです。
クーパー靭帯は一度、伸びたり切れたりなどの損傷を受けると復元されることがありません。
さらに、女性ホルモンであるエストロゲンの減少によりハリがなくなるもの原因のひとつです。エストロゲンの減少は、加齢だけではなく生活習慣の乱れやストレスも原因となります。
他にも…
- ブラジャーのサイズが合っていない
- 悪い姿勢
- 授乳
なども下垂の原因として挙げられています。
ブラジャーをつけると
- 片方だけ隙間ができる
- 片方だけきつい
など、左右で胸の大きさが違う女性も多いでしょう。原因の多くは、日常生活の習慣にあります。
まず、利き腕の影響が挙げられます。利き腕は、日常生活で絶えず動かす頻度が高いのですが、それにより、左右の腕に筋肉がつく、そのつき方などに差が生じ、それが胸の左右差につながります。
次に、カバンをいつも同じ方の肩にかけているなど、体の片方だけに負担がかかる生活をしていることも原因です。負担がかかるとリンパや血液の流れが滞り、老廃物がたまることで、胸の筋肉の発達に影響するようです。
小さすぎるブラジャーでも同じようにリンパや血液の流れを妨げることになるでしょう。
また、悪い姿勢により骨盤が歪むことで、背中の筋肉のバランスが崩れ、結果として胸の大きさの左右差になるようです。
授乳後のバストサイズの変化
胸が大きく変化するのは妊娠から授乳後の期間。妊娠中期では、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)による変化があらわれます。
プロゲステロンが盛んに分泌されることにより乳腺が発達します。また、乳腺が発達することで、胸のハリや痛みを感じはじめる時期でもあります。
乳汁を分泌する乳腺組織が発達することにより、胸のサイズが大きくなります。しかし、授乳期間が終わり卒乳する頃には、大きくなっていた胸のハリがなくなり、小さくなってしまったり下垂してしまったりという変化があらわれます。
育児に忙しく放置しておくと、妊娠前よりも小さくなって「しぼんでしまう」というケースもあるようです。個人差があるようですが、残念ながらハリや形、さらに大きさは、元には戻らない可能性があります。
授乳を終えた胸は、
- 女性ホルモンの分泌
- クーパー靭帯
- 授乳
- 姿勢
などが相互に影響しあい、しぼんでしまうと考えられています。
妊娠中は、赤ちゃんに母乳を与えるために、女性ホルモンが活発に分泌され乳腺が発達し、胸が膨らみます。しかし、卒乳や断乳などで授乳を終えると、ホルモンの分泌が収まります。
乳腺がしだいに縮小することで、皮膚もたるみます。これにより、膨らんでいた胸が「しぼむ」という状態になるのです。
授乳が、胸を支えるクーパー靭帯に負担がかかることも原因のひとつです。クーパー靭帯は、伸びたり断裂したりすると元に戻らないからです。
抱っこなども、クーパー靭帯に負担がかかる行動のひとつです。育児には、前屈みなど姿勢が悪くなる場面が多く、どうしてもクーパー靭帯に負担がかかってしまいます。
胸の垂れの予防改善策
胸の垂れや崩れを防ぎ美しい胸をキープするには、「生活習慣の見直し」がキーポイントです。これから紹介する改善方法は、
- 食事
- 睡眠
- 姿勢の改善
- エクササイズ
- ブラジャーの選び方
などです。
ほんの少し日常生活に取り入れるだけで、効果が期待できるでしょう。食事に関していえば、身近な食材にも女性ホルモンの分泌に有効な成分を含むものがたくさんあります。
自宅でも、時間がなくても、簡単に続けられるエクササイズもあります。猫背などの姿勢を良くしていくことは、胸の下垂の予防だけでなく、肩こりや腰痛の予防にもつながるでしょう。
座ったときに足を組む癖も、骨盤を歪める原因に。骨盤の歪みは、体全体の歪みをもたらし、ひいては胸の崩れにも影響を与えます。
簡単に行える生活改善で、胸の崩れだけでなく健康的な体づくりを目指しましょう。
ハリのある胸を保つためには、乳房の発達にかかわる女性ホルモンのバランスを整えることが大切です。女性らしいスタイルをつくったり、ハリやツヤのある肌をつくったりするのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンです。
年齢とともに減少する女性ホルモンをコントロールする方法のひとつに、食生活の見直しがあります。
女性ホルモンに似た働きをする成分として、
- 豆腐
- 納豆
- 豆乳
などの大豆食品に含まれる「大豆イソフラボン」が有名です。
- キャベツ
- リンゴ
に含まれる「ボロン」は、女性ホルモンの分泌を増やし、濃度も高める効果があるといわれています。
血行促進効果のあるビタミンEも乳腺の発達をサポートするとされています。
これ以外にも、きっと発見されていない有効な成分はあるに違いありません。
そう考えれば、ミネラルやビタミンを含んだ「バランスの良い食事」を心がけること、がホルモンのバランスを整えるために一番大切ともいえそうです。
デスクワークなどで、ついつい猫背になってしまう人は要注意です。姿勢が悪いと血管が圧迫され、血流が悪くなります。
血液には、栄養や酸素を運ぶ働きがあるため、姿勢が悪く血流が滞ると胸に栄養や酸素が届きにくくなります。さらに、猫背により、胸の土台となる大胸筋が使われにくくなり、衰えてしまいます。
その結果、脂肪を持ち上げられなくなり、胸のサイズダウンや下垂につながります。椅子に座るときは、軽く腹部に力を入れ背筋をまっすぐ伸ばすようにします。
また、歩くときは頭の上から吊されているような感覚を意識し、あたかもランウェイを歩くファッションモデルになった気分で歩いてみると楽しく姿勢を意識できるでしょう。
猫背の癖がついている人にとって、良い姿勢をキープすることは、つらいかもしれませんが、ぜひ、姿勢に注意を払うことを継続してみてください。
個人差はありますが、胸の老化は20歳代からはじまります。胸に合ったブラジャーをつけることで、老化による形の崩れを防ぐ助けになります。
下垂は、胸を支えるクーパー靭帯の損傷が大きくかかわっています。クーパー靭帯は、胸自体の重さや揺れなどの外部刺激が続くと切れたり損傷したりして、胸を支える力が弱まります。
また、クーパー靭帯は、一度損傷すると元には戻りません。そのため、クーパー靭帯にかかる負担を減らすためにも、胸に合ったブラジャーをつける必要があります。
体重が変わらないからといって、歳を重ねても同じサイズのブラジャーをつけたりするのは、おすすめできません。胸の形は、加齢により変わっていきます。
定期的に鏡を使って、自分の胸に合っているかチェックしましょう。専門店などの下着販売員に相談してみるのも良いかもしれません。
一度伸びてしまったクーパー靭帯は元には戻りませんが、土台となる大胸筋を鍛えるエクササイズを生活に取り入れることで、バストアップ効果が期待できます。
手軽にできるエクササイズとして、壁を使った腕立て伏せがおすすめです。
また、猫背を改善するために、
- 背筋を鍛えるエクササイズ
- 肩甲骨を縮めるストレッチ
- 骨盤を立たせる開脚ストレッチ
も有効なようです。
骨盤の歪みやズレは、体全体の不調を招くだけでなく猫背の原因にもなるようです。
さらに、胸の下垂対策として、入浴後など体が温まっているときに適度なマッサージすることで、リンパや血液の流れが良くなり、胸の下垂予防や肌の保湿などの効果が期待できます。
好きな香りのクリームなどを使えば、リラックス効果もあり、睡眠中の女性ホルモンの分泌にも良い影響を与えるでしょう。
美しい胸の維持だけでなく、女性らしいボディラインやハリ・ツヤのある肌には、女性ホルモンが大きくかかわっています。
睡眠には2つのサイクルがあります。
- レム睡眠
- ノンレム睡眠
この2つがバランス良く取れていることを質の高い睡眠とされています。
女性ホルモンは、深い眠りの「ノンレム睡眠」時に活発に分泌されます。すなわち、睡眠が不足すると、女性ホルモンが正常に分泌されにくくなります。
女性ホルモンは、睡眠だけでなく
- 過労
- ストレス
- 無理なダイエット
からも影響を受けます。
質の高い睡眠を取るために、日光を浴び、軽い運動など体を動かすように心がけ、夜遅い時間の食事や激しい運動は控えます。
入浴も注意が必要です。熱めのお湯や長時間の入浴は、質の高い睡眠には逆効果です。ぬるめの温度に20分前後つかるようにすると、快眠には効果があるようです。
左右非対称の胸は、文字を書くときや荷物を持つときなど、利き腕を多く使うことによって、片側の筋肉が発達するのが原因のひとつ。
改善には、ダンベルを使ったエクササイズがおすすめです。エクササイズすることで、利き腕でない腕も筋力がつきバランス良くバストアップできるでしょう。
また、カバンをかける肩をこまめに変えるなど、体の左右を均等に使うようにしましょう。
さらに、骨盤や背骨の歪みの予防には、いつも同じ足を組むなど、体の片方だけに負荷をかけないように気をつけることも忘れないことです。
左右の大きさが違う胸の場合、ブラジャー選びに困ると思います。この場合、大きい方の胸に合わせたサイズを選ぶことをおすすめします。
小さい方の胸に合わせたサイズでは、大きい方の胸が圧迫され、形の崩れや血行不良になりやすくなるからです。
胸と向き合うことで得られること
- 女性らしいボディラインをつくる胸
- 愛おしい赤ちゃんを育てる胸
大切な胸には、これらのベネフィットだけでなく、乳がんというリスクもあります。マッサージしたり、鏡でチェックしたりすることは、美しいバストの維持だけではなく、乳がんの早期発見にもつながります。
日本女性の場合、生涯に乳がんにかかる割合は11人に1人といわれ、日本人女性が罹患するガンの中では、乳がんの割合が最も高いとされています。乳がんの早期発見には、何より定期的に検診を受けることですが、日本の乳がん検診受診率は約41パーセントと他の先進国と比べてとても低い状態です。
職場の定期検診や、各自治体で実施されているガン検診を有効活用しましょう。日頃から胸のマッサージやセルフチェックすることは、胸の大きさや形の変化のみならず、乳がんの早期発見にも役立ちます。
まとめ
美しいバストは、日常生活のちょっとした工夫で生まれるようです。
仕事や子育てで忙しく、胸の大きさが変化したことを気にしつつも、ケアを先延ばしにしている人も多いかもしれません。
しかし、バストケアは、美しさだけでなく健康にもかかわってきます。
ぜひ、大切な胸を気遣ってあげてくださいね。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |