- 子どもの頃、平面的だった胸が膨らみはじめる「思春期」
- 授乳に向けて胸の構造が変化する「妊娠・出産期」
- 加齢とともに筋肉量が減り胸も衰えていく「中年期」
胸の形が崩れる原因は授乳だけではない!ママのための美乳術
(2020.05.13 追記)
少し前までは女性らしさや美しさの象徴であった胸ですが、赤ちゃんが生まれると「授乳するためのもの」「赤ちゃんのもの」となりがちです。たとえ胸の形が崩れても赤ちゃんが優先になるのは当たり前のことでしょう。
そして、おんぶや抱っこと知らず知らずのうちに胸には大きな負担がかかります。そんな忙しいママのために今回は無理なく美乳をキープする方法をご紹介します!
授乳にも役立つマッサージや悩み別の食事方法についても合わせてご説明します。
変化する女性の胸
女性の胸は「人生で3回」程度大きな変化があります。
特に変化が大きい時期は「妊娠・出産期」です。母乳を作り出すために数ヶ月単位で胸は形も重さも変化します。
ところが、授乳が終われば胸は小さくなってしまい、急激に大きさも形も変化するのです。
授乳によって起こる胸の形の崩れ
女性の胸は女性らしさの象徴でありセクシーさをアピールする存在です。しかし、その存在感を一変させるような出来事があります。
それが妊娠や出産です。「赤ちゃんを守る」「赤ちゃんを育てる」役割を果たすために女性の胸は形を変えるのです。
妊娠すると胸は母乳を出すための準備がはじまります。母乳をつくる乳腺が発達して胸の形も変化していきます。単純に胸全体が大きくなるわけではなく、胸の下半分が脇へ向かって横へ横へと広がるように成長していくのです。
出産時期には2カップほど大きくなるといわれています。その後、赤ちゃんが成長して授乳の必要がなくなると胸は徐々に小さくなりハリやボリュームを失っていくのです。
この急激な変化が胸の形が崩れる原因です。
- 栄養価が高い
- 赤ちゃんの免疫力を高める成分がある
- 消化が良く、赤ちゃんの体に優しい
- ママと赤ちゃんとのスキンシップになる
- ママの子宮の回復を早める
- ママのダイエットに役立つ など
妊娠中は胸の内部がどのように変化するのか確認していきましょう!
そもそも胸の内部は「乳腺」と「脂肪」そしてそれらを支える「クーパー靭帯」からできています。
妊娠すると乳腺が発達して脂肪も増えます。そしてそれにともなってクーパー靭帯も伸ばされていきます。このような変化を感じるのは妊娠2ヵ月頃からで、以前よりハリや違和感などが出てきます。
そして、妊娠中期からは大きさもボリュームもアップします。中には母乳のような白く濁った液体が出る方もいます。
産後はホルモンの影響を受けて母乳が出るようになります。胸は今までで一番大きなサイズになり、クーパー靭帯も引き伸ばされた状態になります。
生後2ヵ月頃の赤ちゃんは「1日6~8回程度の授乳」が必要でママは大忙しになります。赤ちゃんの成長に合わせて授乳回数は減っていきますが、それにともなって胸のボリュームも減って形も小さくなっていきます。
ところが、クーパー靭帯は伸びた状態から縮むことができません。クーパー靭帯の主成分はコラーゲンで筋肉のようには伸び縮みできないからです。この伸びたクーパー靭帯が胸の形の崩れを引き起こす原因のひとつです。
ママになれば多かれ少なかれ授乳を行うため、ある程度の胸の形の崩れは避けられません。ただ、授乳によって睡眠や食生活など生活スタイルが変化していることも忘れてはいけません。
そして、その生活スタイルの変化によってさらなる原因があるのです。
例えば、
- 着脱が面倒だから
- 締め付けが気になるから
と、授乳のためにノーブラという方もいるかもしれません。
しかし、ノーブラでいると胸の重みでますますクーパー靭帯が伸びてしまい、胸の形が崩れる原因を自らつくってしまいます。
その他にも…
- 赤ちゃんを抱っこするために胸を潰してしまう
- 玩具やミルクを入れた重いバックを持つ
- オムツ替えなどで姿勢が悪くなる
などママならではの生活スタイルが胸に悪影響を与えています。
ママでなくても女性なら誰でも胸の形が崩れることは考えられます。ここからは「授乳以外の原因」そして「対策」を見ていきましょう。
胸を包み込んでいるのは皮膚です。皮膚が乾燥すれば、ハリを失い、シワが目立ってしまいます。入浴後にボディクリームやオイルなどを塗布して、皮膚の水分を保つようにしましょう。
タバコを吸うと、新鮮な酸素が体全体に行き渡らなくなります。健康のためにも、タバコを控えましょう。
胸は主に脂肪でできています。そのため、ダイエットで急激に脂肪を落とすと、胸も小さくなってしまいます。ダイエットをするときは、体重管理に気を付けましょう。
パソコンやスマートフォンを使いすぎると姿勢が悪くなり胸が内側へ内側へと入り込むようになります。これでは、新鮮な酸素が胸に行き渡りません。適度に休憩したりストレッチをしたり、何時間も続けて使わないようにしましょう。
年齢とともに、余分な脂肪が増え肉質がやわらかくなり、胸は垂れやすくなります。体にフィットするブラジャーで、胸を支えてあげると良いでしょう。また、筋肉量が低下して背中が前傾気味になります。正しい姿勢を意識して適度に運動しましょう。
自分の体の状態を把握する
美乳をイメージするとき、形やサイズばかりに気を取られてしまいますが、実際には体全体のバランスが重要です!人にはそれぞれ個性があり、その人の年齢や生活スタイルにあった体型があるからです。
では早速、理想とする体のバランスを見てみましょう!
ウェストサイズ=1としたときのサイズ
- 肩幅=1.6倍
- 乳間=0.8倍(肩幅の半分)
- ヒップサイズ=1.4倍
脂肪が多すぎたり筋肉が少なすぎたりすると体全体のバランスが悪くなり、美乳に見えません。そこで、体のバランスをより客観的に把握するためにBMI(体格指数)を計算してみましょう。
肥満度を示す便利な指数です。体重を身長の二乗で割って計算します。なお、普通体重の範囲は「BMI 18.5~25」で、肥満は「BMI 25以上」です。また、日本人は「BMI 22」のとき、最も病気になりにくいといわれています。さらに、このBMIから標準体重を計算することができます。
標準体重(キログラム)= 身長(メートル)× 身長(メートル)×22
身長158センチの場合
1.58メートル×1.58メートル×22=55キログラム
ただし、このBMIや標準体重を計算しても筋肉量や体脂肪など体重の中身までは把握できません。そこで、体脂肪率や内臓脂肪レベルをチェックできるような体組成計を使うのも良いでしょう。体組成計は、体に微量の電流を流し、その電気抵抗値から脂肪や筋肉を計算します。
- 食べていないのに太る
- 何となく体が重い
という日はないでしょうか?
女性には体重が増えやすい時期と逆に体重が落ちやすい時期があります。これは、女性ホルモンの影響を受けているためです。
主にエストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。エストロゲンは、月経後から10日前後の排卵前に分泌量がピークを迎えるホルモンです。もう一方のプロゲステロンは、排卵後から分泌量が増えるホルモンです。
このプロゲステロンには、栄養や水分をため込む作用があり、むくみや便秘などが起こりやすくなります。つまり、排卵後は体重が増えやすいのです。
また、この時期は精神的にイライラしやすくなります。音楽を楽しむ、ゆっくりお風呂に入るなどリラックスして過ごすことがポイントです。
心も体も無理せず美乳をキープする方法
授乳後のママは、
- 体を元に戻したい
- 胸の形の崩れをどうにかしたい
と思うでしょう。
しかし、これまで説明したように女性の体はとても敏感です。激しい運動をしたり食事制限をしたりしないようにしましょう。
無理をすると体調を崩しやすくなり、ストレスも溜まってしまいます。これではママだけでなく赤ちゃんにも良くありません。
ポイントはまとめて頑張りすぎないことです。週1回まとめてきつい筋トレするよりも毎日少しずつできるウォーキングの方が健康的です。
体格指数や標準体重を参考にしながら食生活やマッサージなど、まずは生活の中で無理なくできる方法を選びましょう。
体型に合わせたブラジャー選び
妊娠中や授乳中は、ついついゆるゆるの服装やノーブラで過ごしがちです。しかし、それではクーパー靭帯の伸びと脂肪の重さから胸の形の崩れが加速してしまいます。
そこで、マタニティブラジャーを使ってみましょう!
妊娠中から産後にかけて使える専用のブラジャーです。通常のブラジャーは胸を美しくみせるためのものですが、マタニティブラジャーは胸の大きさや重さの変化に柔軟に対応できるようなつくりになっています。
大きくなる胸の重みを下から持ち上げて安定させてくれるので、胸の形の崩れ予防にも役立ちます。胸が大きく肩こりが気になる方にも良いでしょう。
また、簡単に授乳ができるように、
- 前にボタンが付いた前開きタイプのブラジャー
- カップを開くと授乳できる二重構造タイプのブラジャー
など、機能的で可愛いブラジャーが数多くあります。
妊娠中や授乳中は、胸に違和感やハリが出て敏感になりやすいものです。そのようなときは「綿100%」「絹混合」など天然素材のブラジャーがおすすめです。
肌触りが良く、通気性に優れているので、胸を優しくサポートしてくれます。体調が悪いときやアレルギー体質の方にも使いやすいでしょう。
ホルモンから美乳へアプローチ
次は、ホルモンに注目して体の内側から美乳へアプローチしていきましょう。ホルモンと聞くとエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが有名ですが、ほかにも授乳に深い関わりがあるホルモンがあります!
それが「オキシトシン」というホルモンです。
脳から血液中に流れて、子宮や乳腺の収縮を促す働きがあります。最も多く分泌されるのは分娩時と授乳時で、具体的には分娩時にオキシトシンが分泌され、子宮を収縮し赤ちゃんが生まれた後、乳腺を刺激して授乳を可能にします。
このようなオキシトシンの働きにより脳が活性化します。相手への愛情や親近感も高まり、母子の絆が深まるのです。
その他にも、
- ストレスの軽減
- 血圧上昇の抑制
- 筋肉量や骨量の増加
- 老化予防
などさまざまな効果があります。そのため、オキシトシンを意識した生活が美乳にもつながるのです。
では、どうしたらオキシトシンを適度に分泌させることができるのでしょうか?
実は、皮膚を介した刺激が有効であることがわかっています。
- 子どもを抱っこする、手をつなぐなどの「スキンシップ」
- オイルを体に塗布する「トリートメント」
- 皮膚を軽く刺激する「マッサージ」
など、毎日続けると血液中のオキシトシン濃度を上げるのに役立ちます。
では早速、マッサージを試してみましょう!
お風呂や寝る前など、リラックスしているときに行うのがポイントです。また、手の滑りを良くするためにオイルやクリームなどを塗布するのも良いでしょう。
- 右手の指をそろえて、左胸の下にあてる
- 左手のひじを真横に突き出して、手首を曲げないように右手の下にあてる
- 手のひら全体で胸をすくい上げるように、真上方向にマッサージする
- 胸の付け根(胸の筋肉との境目)を意識してマッサージを続ける
- 右胸も同様にマッサージする
胸の土台となる大胸筋から血液が流れ込んで、胸全体に栄養や酸素が届けられています。マッサージをして血行が良くなると、母乳の分泌も良くなり、胸の形の崩れを予防するのに役立ちます。
バランスの良い食事
美乳を目指すために「バランスの良い食事をしよう」と努力している方もいるでしょう。しかし、食習慣は生活スタイルやストレスなどとも密接に関わっており、いきなり食習慣を改善するのは難しいものです。
また、妊娠中や授乳中はつわりで食べられなかったり、逆に食欲が増して食べ過ぎてしまったりと普段よりも栄養管理が一層難しくなります。
そこで「主食」「主菜」「副菜」の3つの料理を組み合わせる食事法を実践しましょう。
「主食」「主菜」「副菜」をそれぞれ1品用意し、「煮る」「焼く」「揚げる」などできるだけ違う調理法にします。これなら、難しいカロリー計算も不要でコンビニ食でも外食でも実践できます。
- 主食(ごはん、パン、麺類など)
- 主菜(肉、魚介、卵、大豆製品など)
- 副菜(野菜、海藻、きのこ類など)
- その他(お味噌汁や果物など)
では、ここからは女性にありがちな悩み別の食事改善法をご紹介します。自分に必要な栄養をプラスして美乳を目指しましょう!
余り物を食べたり、ストレスから衝動的に食べ過ぎたりすると余分な脂肪が体に蓄積していきます。これでは体重増加につながり、メリハリのある体になりません。
食事改善としては腹八分目にして、1日3食規則正しく食べるように心掛けましょう。また、外食が多いと糖質や脂質を摂りすぎてしまい、逆に野菜やタンパク質不足になります。
不足しやすい栄養は、家庭で補うようにしてください。そして、外食をするときでも「主食」「主菜」「副菜」の定食のようなメニューを選ぶようにしましょう。
多くの女性が抱えている悩みといえば便秘です。便秘は、便の水分が少なく排便が困難な状態をいい、不規則な食事やストレスなどちょっとした問題からも起こります。
ただし、便秘には個人差があります。普段から数日間便が出なくても、その後無理なく便が出れば問題ありません。
腸内環境を整える食事改善としてはヨーグルトを毎日食べると良いでしょう。ヨーグルトには、整腸作用のあるビフィズス菌が含まれています。
また、排便を促すためには少食すぎてもだめです。朝食を食べるようにして水も飲むと良いでしょう。
冷え症は自律神経の乱れや血行不良から起こります。
美乳のために、きついブラジャーを着けている方は要注意です。血行不良の原因になっているかもしれません。
食事改善としては、甘いものや油っぽいものを摂りすぎないことです。これらは、血液中の糖や中性脂肪を増やして、血液の流れを妨げてしまいます。
また、夏が旬の食品は暑い夏に耐えるため冷却作用があります。
- きゅうり
- なす
- トマト など
体も冷やしやすいため「煮る」「焼く」といった調理法で食べるのがおすすめです。
風邪を引きやすい方は、まず十分な休養が必要です。
- 睡眠不足になっていないか
- 働き過ぎではないか
など、自分の生活を振り返りましょう。
食事改善としては、「肉」「魚」「卵」「豆腐」などの良質なタンパク質を積極的に摂ることが大切です。タンパク質は、筋肉や臓器など体をつくる原料で、美乳をつくるためにも欠かせません。
もしタンパク質不足になると、体にあるタンパク質が分解されて、その不足分を補うために体の免疫力や抵抗力を低下させてしまいます。
ストレスを感じたら、そのストレスが大きくなる前に解消していくことが大切です。ときには人に悩みを話してみたり、音楽や映画など趣味に没頭したり、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
食事改善としては「コーヒー」などに含まれているカフェインを控えめにすることです。これは、カフェインに興奮作用があるためです。
お茶を飲むなら「カフェインレス」でリラックス効果も期待できるハーブティーが良いかもしれません。
胸が乾燥肌になると「シワ」「たるみ」「くすみ」などが目立って、年齢より老けて見えてしまうかもしれません。まずは、オイルやクリームなどで保湿をしましょう。
食事改善としては、良質なタンパク質を摂るほか、ビタミン群を積極的に摂ると良いでしょう。
キウイやピーマンなどに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、弾力やハリを保つのに役立ちます。
アーモンドやサーモンなどに含まれるビタミンEは、血行をスムーズにして、潤いを与えてくれます。
まとめ
ママになると授乳をしたり赤ちゃんを抱っこしたり大忙しです。自分の体を気にする余裕すらないかもしれませんが、確実に体は変化しているはずです。
体重を量るだけでも良いので自分の体に少し目を向けてみましょう。そして、マッサージや食事改善など、ママも赤ちゃんも笑顔になれる方法を選んで、楽しく美乳を目指しましょう。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |