垂れた胸の形をもとに戻す方法はある?
バストの悩みQ&A

垂れた胸の形をもとに戻す方法はある?

(2020.01.31 追記)
もとには戻せませんが胸が垂れる進行を遅らせることは可能です。

魅力的なバストは大きさだけでなく、形やバストトップの位置、張りなど、様々な要素が組み合わさり作り上げられます。
その中で女性が特に気になるのは、胸の垂れではないでしょうか。

残念ながら一度垂れてしまった胸をアップさせることは難しいといわざるを得ません。
しかし、下垂の進行を遅らせるような予防や、これ以上悪化しないようにするといったことは可能といわれています。

今まで無頓着だった方も、諦めていた方も、一度トライしてみてください。

美しいバストはバランスも重要です

美しいバストはバランスも重要です
一般的に、理想的なバストだといわれる形は「半球型」です。
半球型とは、胸の高さと胸の底辺がほぼ同じ長さで、張りがあり、バストの上部も下部もふくらみがあるタイプを指します。

そして、バストトップは上向きです。
また、「お椀型」も良い形といわれます。

日本人には、半球型よりも少し小ぶりでお椀を伏せたような形の「お椀型」が多いようです。
もちろん個人差があって、ボリューム感があり欧米人に多い「ロケット型」がいいと思う方もいらっしゃるでしょう。

どの型にせよ、形だけ良くても、胸が外を向いていたり下を向いていたりしては理想的なバストとは言い難いといえます。
鏡で正面から見て、鎖骨の中心と左右のバストトップの3点を結ぶ形が「正三角形」になっているのが美しいバランスと考えられています。

バストトップが離れていたりバストが垂れていたりすると二等辺三角形になってしまうので、ブラジャーで整えるなどの手段を講じて、正三角形に近づけるようにしましょう。

セルフチェックでバストの垂れ具合を確認しましょう

セルフチェックでバストの垂れ具合を確認しましょう
バストの垂れ具合はセルフチェックでもチェックできます。
正面からチェックすることはもちろんですが、横向きのチェックも大切ですので覚えてみてください。

横向きのチェック方法

まず、鏡に向かって横を向き、背筋を伸ばし、腕は真っすぐ下におろしてください。
このとき、肩とひじのちょうど中間の位置にバストトップがあったら、垂れていない理想的なバストトップの位置です。
中間よりも下にバストトップがあれば、バストが垂れているといえる状態かもしれません。

バストの下垂は、軽症だと、バストトップの位置がバージスライン(乳房とお腹の境目)とほぼ同じですが、それが進むとバージスラインよりも1~3cm下になり、さらに3cm以上となれば重症と分類されます。

横向きになると、バストの垂れだけでなく、バストの上下の張りや上部の削げも分かりやすくなります。
正面のセルフチェックで大丈夫だった方も、お風呂上がりのときなどに鏡に映して横からチェックしてみましょう。

年齢に関係なく胸が垂れる可能性があります

年齢に関係なく胸が垂れる可能性があります
胸の下垂は加齢によるものだと思われがちですが、原因はそれだけではありません。
クーパー靭帯の損傷も、胸が垂れる重要な原因となります。

クーパー靭帯とは?
乳房を構成する脂肪組織や乳腺組織を支えている網状の結合組織のことです。

歳を重ねるにつれ、体全体の結合組織がゆるんでくるので、当然クーパー靭帯も伸びる恐れがあります。
しかし、それ以外にも、乳房の発達や妊娠・出産によって乳房の重量が増したり、激しい運動によって胸が上下に強く揺れたりすることで損傷してしまう危険性があるのです。

そして、悲しいことに一度傷ついたクーパー靭帯はもとの状態に戻れないので、まずは傷つけないように気をつけなければなりません。
若いからなどと気を抜かず、クーパー靭帯の損傷を招きやすい行動やしくみを知り、損傷を防ぎましょう。

胸の成長が始まる10代は運動による揺れにも注意

胸が急激に大きくなると、クーパー靭帯が伸ばされてしまいます。
最初にそうなる可能性があるのが思春期です。

女性は思春期になると、女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌・働きが活発になるといわれています。
すると、乳腺や乳管が成長してバストが急激に大きくなることがあり、バストの重さが増すにつれてクーパー靭帯も伸びるというわけです。

その頃は、体育の授業やクラブ活動などで活発に運動する時期でもあります。
激しい運動によってバストは上下左右に揺さぶられるので、バストが重くなったなら、しっかりと支えておかないとクーパー靭帯が伸びきったり、切れたりすることも考えられます。

まだ、そんなにバストが大きくない…と軽く考えず、大きくなり始めたら急激に胸が成長することに備えて、支える手だてを講じましょう。

20代~30代に多い出産前後でバストの変化が大きくなります

20代~30代に多い出産前後でバストの変化が大きくなります
20代~30代でバストの下垂を招く原因になりやすいのが、

  • 妊娠
  • 出産
  • 授乳

による「バストのボリュームの変化」です。

妊娠すると乳腺が発達して、乳房はだんだん大きくなります。

そして、出産直後は、母乳を蓄えたバストのボリュームはさらにアップし、ずっしりと重くなるのを実感するでしょう

クーパー靭帯も強く引っ張られている状態なので、このときにきちんとバストを支えておかないとクーパー靭帯が伸びきってしまうので注意が必要です。

授乳が始まると、授乳の前後でも張りやボリュームに差が出て、下垂しやすい状態になります。

卒乳後は大抵しぼんでしまって下垂する人も現れます。

それから、この年代は

  • 仕事や家事が忙しい
  • 過度なストレス
  • 睡眠不足
  • 運動不足

などで疲れきってしまう可能性が高いです。

これらはホルモンバランスの乱れにつながり、バストアップにも悪影響を及ぼしますので、気をつけましょう。

40代からは加齢の影響をもろに受けます

40代からは、皮膚の弾力性や柔軟性が低下し、バストを支える大胸筋などの筋肉量からくる筋力も低下するので、バストを支える力も弱くなっていきます。
徐々に女性ホルモンの分泌量が減少して、全身のホルモンバランスも変化すると、バストでは脂肪と乳腺の割合が変わるので、バスト全体が柔らかくなります。

また、加齢によってコラーゲンが減少するので、コラーゲンが主成分であるクーパー靭帯も肌と同様にたるんで、バストを支えられなくなってきます。
そして、重力や振動などの影響を受けてきたクーパー靭帯は少なからず損傷しており、下がってきたバストを持ち上げる力はもうありません。

その結果、バストの上部は削げ、下部はたわんで、バストトップは下向きになり、バストは外に流れます。
そのため、加齢で弱くなった部分を補うことが必要となるでしょう。

3つの対策でクーパー靭帯を守りましょう

3つの対策でクーパー靭帯を守りましょう
できるだけクーパー靭帯にかかる負担を減らすために、自分でできる対策は3つあります。

1.自分のバストの状態に合う適切なブラジャーの着用

サイズが合っているのはもちろんのことですが、上下の揺れを抑えたい、重力に引っ張られるのを防ぎたい、ボリュームアップしたバストを支えたいなど、目的に応じたブラジャーを選んでください。

2.胸の土台となる筋肉を衰えさせないよう筋トレをする

いくらブラジャーをしても、土台がしっかりしていないとバストを支える力が弱いので、胸の下垂は進んでしまいます。

3.生活習慣の見直し

生活習慣が乱れていると、ホルモンバランスが崩れたり、バストの成長に必要な栄養が届かなかったりする恐れがあるので、できるだけ健康的で規則正しい生活を送るようにしましょう。

ジャストサイズのブラジャーは必要不可欠です

ジャストサイズのブラジャーは必要不可欠です
最近、自分のバストを測ったことはありますか?

サイズの合わないブラジャーを使い続けている女性は意外と多いようですが、ブラジャーのサイズはずっと同じではありません。

例えば、歳を重ねると、若い頃とカップのサイズは同じでも、バストの形や柔らかさが変わってきているので、カップが浮いたり、ずれたりして、そのブラジャーがバストの下垂を招く原因になりかねません。

次に挙げるポイントに1つでも当てはまったら、ブラジャーがフィットしていない可能性があります。

  1. 腕を上げるとブラジャーも上がってしまう
  2. 体を動かすとカップとバストの間にすきまができてしまう
  3. ストラップがずれ落ちる、もしくは食い込む
  4. アンダーバスト部分が苦しい

若い場合でも、気になる点があったら、ジャストサイズで自分のバストに合うブラジャーを探す必要があります。

自分で測定するのが難しい場合は、専門店で採寸してもらって、試着をしてから購入するようにしましょう。

バストをしっかりと支えるブラジャーで下垂対策

バストをしっかりと支えるブラジャーで下垂対策
胸の下垂予防や下垂の進行抑制をしたい人におすすめの「しっかりと支える」ブラジャーをご紹介します。
TPOで使い分けてみましょう。

スポーツブラ

体を動すときに上下にバストが揺れるのを抑えるブラジャーです。
ストラップが幅広いので、運動中のずれも少ないのが特徴です。

ナイトブラ

寝るときにバストが横に流れないために着用するブラジャーです。
寝苦しくなく、上下と横からバストを支えるので、寝返りを打ってもバストが安定しています。

マタニティブラ

妊娠・授乳期はバストの変化に応じてブラジャーも変える必要があります。
大きさに加え、重量もアップしたバストをしっかりと包み込んで支えてくれるマタニティブラを着用し、一時的な乳腺の発達を邪魔して炎症を起こしたりしないよう気をつけましょう。

フルカップブラ

バスト全体をすっぽりと包み込み、バストを持ち上げます。
ボリュームダウンした卒乳後のバストや、大きくて柔らかなバストで下垂が気になる方は使ってみると良いでしょう。

ブラジャーの正しい着け方を覚えましょう

ブラジャーの正しい着け方を覚えましょう
いくら自分のバストに合ったブラジャーを選んでも、間違った着け方をしていては元も子もないです。
正しい着け方をマスターすることでバストの形が美しく整えられ、快適に過ごすことができます。

ブラジャーの正しい着け方
  1. ストラップに腕を通して肩にかけます。
  2. ブラジャーの下側を持ち、体を前に倒してワイヤーをバージスラインに合わせます。
  3. 体を前に傾けたまま、バストをカップに入れて後ろのホックを留めます。
  4. その姿勢のまま、右手で右のストラップの付け根を少し浮かせ、左手をカップの中に差し込み、右側のバスト全体を包み、やさしく持ち上げます。
  5. 体を起こし、ストラップと肩の間に指1本がすっと通るぐらいの長さにストラップを調節します。
  6. 反対側も同様にします。

次に、ブラジャーが正しく着けられたか、確認しましょう。
腕を上下に動かしたり、体を左右にひねったりしたときに、カップの浮きやずれ、食い込み、違和感がなければ大丈夫です。

もし、後ろ手でホックを留められない場合は、前でホックを留めて後ろにブラジャーを回した後、体を前に傾けて上記の方法でバストの形を整えると良いでしょう。

筋肉量の低下を防いで胸の土台を整えましょう

筋肉量の低下を防いで胸の土台を整えましょう
乳房の下には胸の土台となる筋肉があります。
その1つである大胸筋は前胸部にある大きな筋肉で、胸全体を支えます。

そして、この大胸筋の下にある小胸筋は、胸を体の中心方向へ引き寄せます。
胸の周りにある大胸筋、小胸筋、背筋などの筋肉が適度に発達していないと、バストを支えるクーパー靭帯の負担が増してしまうでしょう。

加齢や運動不足などによって筋肉量は低下してしまうので、ハードなトレーニングをする必要はありませんが簡単なエクササイズを行って、胸の土台となる筋肉を整えると良いでしょう。

また、普段の姿勢にも気をつけてください。
猫背になっていると、筋肉量だけでなく血流も低下するので、バストアップにはマイナスです。

逆に、背中の筋肉をほぐすストレッチやバストのマッサージには、バストアップ効果が期待できます。
マッサージを行うときは、バストアップクリームやマッサージクリームなどを用いて肌を摩擦で傷めないようにしてください。

日常の生活習慣もバストに影響を及ぼします

日常の生活習慣もバストに影響を及ぼします
睡眠不足は、女性ホルモンの分泌を促したい女性にとっては大敵です。
バストの成長に大きな影響を与える女性ホルモンや成長ホルモンは、特に夜の睡眠時間帯(22時から2時)に活発に分泌されるといわれています。

だからこそ、その時間に質の良い睡眠をたっぷり取ることをおすすめします。

また、過度のストレスも女性ホルモンの分泌を妨げます。
十分な睡眠を取るほかに例えば、

  • 好きな音楽を聴いてリラックスする
  • 軽い運動をする
  • 友人とおしゃべりを楽しむ
  • 入浴に時間をかける

など自分なりのストレス発散方法を見つけると良いでしょう。

そして、食生活も大切です。
クーパー靭帯の主成分であるコラーゲンは、実はタンパク質の一種です。

タンパク質は筋肉や皮膚、血液、ホルモンなど、体の基礎となるものを作る重要な栄養素ですので、クーパー靭帯のためだけでなくしっかりと摂取しましょう。

これは、バストを支える大胸筋や、肌の張りをアップするのにも確実に役立ちます。
バランスの良い食事を心がけ、偏食や過激なダイエットはやめることも本当に大切です。

また、生活習慣の中で

  • 軽い運動もしていない
  • 喫煙をしている

などは、血流にもホルモンにも悪くバストアップには大敵です。

安易なバストアップ方法には要注意

安易なバストアップ方法には要注意
インターネット広告や口コミなど巷では、

    • すぐにバストアップ効果を発揮するクリーム
    • 飲むだけでバストアップするサプリメント

など、手っ取り早くバストアップできるとうたわれた商品が多数存在しています。

しかし中には安全性が疑問視される成分を含む商品があり、下手をすると体に害を及ぼしかねません。
即効性があって、安価で、お手軽な方法があったら、みんな苦労はしないと思いませんか…

早く美しいバストになりたいという気持ちが焦りになり、害を及ぼすものに頼ったりして健康を損ねないようにしてくださいね。

また、ご紹介してきた

  • 質の良い睡眠
  • 適度な運動
  • 栄養の摂取
  • 適切なブラジャーの着用
  • マッサージ

など、実践することでもたらされる良い影響はそれぞれ異なりますが、組み合わせれば相乗効果を生んでより良い効果が期待されるといわれています。

健康のためにも、魅力的なバストのためにも、組み合わせて気楽に根気よく続けることが肝心でしょう。

まとめ

1.垂れていない胸は左右のバストトップと鎖骨の中心が正三角形
2.胸の下垂の原因は加齢だけではない
3.クーパー靭帯を守るため適切なブラジャーの着用は不可欠
4.危険を招く恐れのある安易な方法に頼らない
5.1つの方法に偏らず様々なアプローチで垂れの予防対策を行う

一度垂れた胸の形を自力でもとに戻すのは、ほぼ不可能だといえるかもしれません。
だからといって、そのまま放っておくと、どんどん垂れていく一方です。

諦める前に現状維持できるといわれる方法(質の良い睡眠、適度な運動、栄養、適切なブラジャー、マッサージなど)をいくつか試し、歯止めをかけてみてはいかがでしょうか。
今の胸が一番上向きなのです。

 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール