育乳・バストアップに影響する姿勢について
(2019.11.18 追記)
背中や腰が曲がった状態で日々を過ごしていると、バストの成長を妨げてしまう可能性があることをご存じですか?近年、デスクワークが多かったり、スマホを長時間使っている方が増えていたりするため、猫背の方が増えている印象です。
しかし、姿勢の悪さは全身の血行不良や筋力低下を招くため、バストにとって非常に悪影響を及ぼします。栄養や女性ホルモンが不足してしまい、バストが育たない、下垂してしまうなどの原因になりかねません。
今回は、育乳と姿勢についての関係をお伝えしていきます。
姿勢がなぜ育乳に影響するのか?
バストは乳腺の周りに脂肪がつくことで、女性らしい丸みを帯びた形に膨らみます。そのため、育乳にとって重要なのは乳腺の発達と、脂肪など必要な栄養素が胸に行き渡ることです。
そして、育乳にとってキーとなる乳腺が発達するためには、女性ホルモンの分泌が不可欠。しかし、体にとってバランスが悪い姿勢を続けていると、血行不良になってしまいます。
血流不足は栄養不足を招くだけでなく、女性ホルモンの分泌量を低下させてしまう原因になりかねません。また、バストが美しく上を向いた状態をキープできるのは、クーパー靱帯や大胸筋のおかげです。
姿勢が悪いことで胸周辺の筋力が衰えると、大胸筋の引き上げる力が弱くなるためバストの位置が下垂しやすくなります。これらの理由から、姿勢は育乳にとって非常に大きな影響があるといえるでしょう。
姿勢はバストに対して非常に大きな影響力があります。猫背や歩き方、座り方が悪いだけで、育乳に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
では、なぜ姿勢が悪いだけで育乳に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか。そこには3つの理由があります。
正しい姿勢でない状態が続くと、体が凝り固まってしまい血行不良になります。バスト周辺に必要な栄養が行き渡らなくなることは、バストの成長が滞る原因です。
猫背の状態は、背中が丸くなり首が前に出てしまっている姿勢です。この姿勢の場合、バストは常に下に向かって垂れ下がるような状態になってしまうため形が崩れやすくなります。
姿勢が悪い状態を続けていると、大胸筋を使わなくなってしまいます。大胸筋はバストを上へ引き上げるために重要な役割を果たしている筋肉です。
しかし、大胸筋が衰えると引き上げる力が弱まるため、下垂しやすくなってしまいます。
悪い姿勢はバストに悪影響を及ぼす、その理由を説明してきました。しかしそれは、逆にいえば、正しい姿勢で過ごしていれば、バストアップも夢ではない、ということになるわけです。
例えば、日頃の習慣になってしまっている「猫背」が原因で衰えてしまった大胸筋。これも、しっかりと胸を張った姿勢で過ごすことにより、再び、鍛えられる可能性が高いのです。
また、血行不良が原因で栄養が不足していた場合、血流が改善されれば、必要な栄養が届くようになり、育乳に役立ちます。そのため、できるだけ正しい姿勢で過ごすようにしましょう。
正しい姿勢を保つために、歩き方や座り方、眠っている時などに、気をつけたほうが良い内容があります。
姿勢が悪い人は「骨がずれている」「体がゆがんでいる」などといわれることがあります。もちろん、実際にゆがんでいるケースもあるでしょう。
しかし、多くの場合、骨が問題なのではなく、筋力不足のケースが多いものです。筋力不足だと正しい姿勢を保つことが難しくなるため、猫背などの癖がつきやすくなります。
そのため、筋力アップしていくと正しい姿勢を保つことができるようになる方が多いです。もちろんトレーニングなどで筋力をアップさせることも良いですが、歩く、座るなどの日常の動作でも、意識して行うことで体が変化していきます。
また、筋力不足だけでなく、日常のちょっとした癖が原因で姿勢が悪くなっている可能性もあります。座る時に足を組む、鞄をいつも同じ肩で持つ、立っている時に片側の足に体重を乗せるなど、気がつかないうちに体に染みついてしまっている癖が原因になっているかもしれません。
姿勢に影響を及ぼす体の使い方や筋肉に意識をしてみると良いでしょう。
「歩くことなんて、難しくないだろう」と思われがちですが、正しい姿勢で歩くことは意外と難しいです。しかし、正しい姿勢で歩くことができれば体の使う範囲が広がるため、運動量が増えて、血行促進や筋力アップにもつながります。
正しい歩き方の姿勢を作るためには、立ち方が大切です。まず、体の中心軸である「体幹」を意識して立つようにしましょう。
その時に、左右の肩の高さが揃っているか、耳から肩・腕・腰・足までのラインが一直線になっているかなどを、姿見鏡などで確認してみると、さらに良いです。正しい立ち方をキープしたまま、3つのポイントに気をつけて歩くようにしてみてください。
- 着地する時は、必ずかかとから下ろす
- ひざの後ろを、まっすぐに伸ばす
- 腕を上腕の部分から大きく後ろに引いて、腕を前後に振りながら歩く
これらを意識することで、歩幅や腕の振り方などが変わります。その結果、体の使われる範囲が広がり、正しい姿勢で歩くことができるようになります。
座っている時に、腰をずるっと落として椅子にもたれかかる座り方をしていませんか?座っている時も体の上部が前かがみになってしまう方や、足を組んでいる方もよく見かけます。
しかし、これらの座り方は正しい姿勢ではありません。このような姿勢の悪い座り方を続けていると、筋肉や関節に負担がかかってしまいます。
そのため、正しい姿勢を保つために、座骨で座るようにしましょう。座骨とは、骨盤の一番下、先端のとがったところにある骨のこと。
座骨が椅子に対して垂直に当たる位置で座ることが大切です。正しい姿勢で座ることができれば、下半身が安定して背骨や首、頭などが自然に上に乗ってくれるため、座っている間も楽に過ごすことができます。
この座り方に慣れるまで、少しお腹周りの筋肉が疲れるかもしれません。しかし、バストアップはもちろん、ぽっこりしたお腹がすっきり、肩こりや腰痛などの改善が期待できます。
寝ている時の姿勢が、バストに悪影響を及ぼすことがあるのをご存じですか?「うつぶせ寝」はバストを押しつぶしてしまうため、脂肪が背中に流されていってしまう危険性が高いです。
また、うつぶせ寝によって胸が常につぶされた状態になるため血流が阻害され、栄養や成長ホルモンが行き渡りにくくなります。そして、もう1つは「横向き寝」です。
横向き寝は右か左側の体を下に向けて眠ることになるため、脂肪が体の横に向かって流れていってしまいます。しかも、横睡眠中に横向きの負荷がかかり、クーパー靱帯を損傷してしまう可能性が高くなるのです。
では、どのような姿勢で寝るのが良いのでしょうか。バストアップのことだけを考えれば、重力の影響を一番受けにくい「仰向け寝」がベストな選択です。
また、腕の位置も重要で、万歳をするような両手を頭の上のほうに挙げた状態で眠るとさらにバストが引き上げられるため良いでしょう。少し慣れるまでは大変かもしれませんが、育乳のために効果的な眠る姿勢を試してみてください。
姿勢に影響する筋肉を鍛える
正しい姿勢を保つためには、「体幹」や「インナーマッスル」と呼ばれる、体の内側の筋肉を鍛えることが大切です。体幹とは、主に「横隔膜」「腹横筋」「多裂筋」「骨盤底筋群」の4つの筋肉を指します。
これらの筋肉を鍛えることにより、体の軸が安定し、正しい姿勢を保つことが可能です。体幹を鍛えることで、姿勢が良くなる、腰痛や肩こりが軽減される、太りにくくなるなどの利点があります。
仰向けになり、手は体を支えるように腰の横に置きます。その状態で、足を少しだけ上げて自転車を漕ぐように上下に動かします。
自転車のペダルをしっかりと漕ぐイメージです。ゆっくり漕ぐ動きと早く漕ぐ動きを、1分ずつ毎日継続しましょう。
正しい姿勢を維持するだけでなく、バストアップにも役立つ筋肉があります。それは、「背筋」「大胸筋」「小胸筋」の3つです。
大胸筋や小胸筋は、バストアップのために鍛えると良いという筋肉として有名です。しかし、体の前面ばかりを鍛えていても意味がありません。
背中とのバランスが取れてこそ、きれいなバストを作ることができます。例えば、デスクワークやスマホを操作している時、肩が内側に巻き込まれ、頭が前に出ている姿勢になってしまいがちです。
そのような状態が続くと、背中が丸まって筋肉が緊張状態になり、伸縮性が失われてガチガチになってしまいます。もちろん姿勢にとっても良くありませんが、バストにとっても良くありません。
硬くなった背中の筋肉に引っ張られてしまい、脂肪が流れて下垂したり、離れ乳になってしまったりする原因になるのです。そのため、美しいバストを作るためには、前だけでなく背中も意識的に整えるようにしましょう。
次に、バストアップに関係する筋肉を鍛えるためのエクササイズをお伝えしていきます。
美しいバストラインを維持するために、大胸筋を鍛えましょう。大胸筋とは、前胸の部分にある大きな三角形の形をした筋肉で、鎖骨の下から脇の下、みぞおちの辺りまで広がっています。
バストを真ん中に寄せて引き上げてくれる力が強くなるため、ボリュームアップが可能です。正しい姿勢で行う腕立て伏せでも鍛えることができますが、ここではもう少し気軽に、どこでもできる簡単なエクササイズをご紹介します。
両手が空いている状態ならテレビを見ながらでも行うことができるので、ちょっとした空き時間におすすめです。
- 背筋を伸ばして胸を張り、肩を落とします。肘を真横に開いて、胸の前で両方の手のひらを合わせます。
- 大胸筋に力が入っていることを意識しながら、両手のひらをぎゅっと強く押しつけあってください。
- この時、息を止めないように、できるだけ長い呼吸をしながら15~20秒ほどキープします。
1~3の動きを1セットとし、毎日10セット行うと効果的です。
小胸筋は、大胸筋の後ろに隠れているインナーマッスルです。小胸筋は本来しなやかで柔らかい筋肉ですが、最近の女性の体はデスクワークやスマホの影響で小胸筋が収縮して、凝り固まってしまっている方も少なくありません。
小胸筋が本来の機能を取り戻せるよう、エクササイズを行っていきましょう。
- 壁から少し離れた位置に横向きで正しい姿勢で立ちましょう
- 壁側の手を真上に上げ、手のひらを壁につけます
- 壁に体重をかけるようなイメージで、ゆっくりと息を吐きながら手のひらをぐっと押しつけます
- ゆっくりと胸を広げるようなイメージで、徐々に手のひらを後ろへ移動させていきましょう
- 可能な限り、下までいったら、今度は反対側の腕でも同じように行ってください
なお、筋肉が収縮してしまっている場合、無理に伸ばすと痛みを感じるかもしれません。深く長く息を吐きながら、10秒ずつくらいゆっくりと腕のつけ根を伸ばすようなイメージで行ってください。
バストを支える筋肉は、体の前だけに存在するわけではありません。体の前面と背面の両方、同時にエクササイズを行うことで、バランスを整えていく必要があります。
そのため、背中に対して働きかけるエクササイズも重要です。特に、普段から猫背な姿勢等で背中に負担がかかっている方は、緊張をほぐして筋肉の伸縮機能を取り戻すことができます。
毎日、繰り返し行うことで肩回りや肩甲骨回りがほぐれて、バストアップにつながります。
- 正しい姿勢の立ち方をした状態で、息を吐きながら腕を上に伸ばす
- 吐きながら、大きく半円を描くようにして手を横まで下ろす
- もう一度息を大きく吸い、ゆっくりと吐きながら開いている肘を体に引き寄せる(この時、肘を引き寄せる位置を背中寄りにしてください。肩甲骨を内側に寄せるイメージで引き寄せましょう)
- 息を吸いながら、再び腕を横に伸ばします
- 3と4を5セット繰り返します
補整下着やナイトブラを有効活用する
胸は柔らかい脂肪で作られているため、どうしても形が崩れやすい傾向にあります。それをしっかりと支えたり、補正してくれたりするのが補正下着やナイトブラです。
補正下着とは、日中に使用する普通の下着の機能に加えて、体型を整えてくれる効果が期待できる下着のこと。そして、ナイトブラはその名の通り眠る時に使用するブラジャーです。
補正下着やナイトブラを使用することで体が自然と正しい位置に慣れてくるため、バストアップだけでなく姿勢が良くなる効果も期待できます。特に猫背のような姿勢の悪さは、長い時間かけて体が覚えてしまった癖です。
自分の意識だけで正しい姿勢に戻すのは、非常に困難なケースが多いのではないでしょうか。下着のサポート機能を有効に活用することで、正しい姿勢を取り戻し、バストアップを目指していきましょう。
女性の体は柔らかいため、加齢と共に体型が変化しやすい傾向があります。重力に負けて下垂したり、移動してしまったりすると、その位置で癖がついて戻らなくなってしまうことも。
そんなボディラインの問題をカバーしてくれるのが、補正下着です。まず、補正下着を選ぶ時は、自分がどのような体型になりたいかを考えてください。
胸を大きく見せたいのか、逆に小さく見せたいのか、谷間を強調したいのかなどによって、選ぶ補正下着が変わってきます。美しいバストを作るためには、脂肪がサイドに流れにくいような構造になっているホールド力の高いものを選びましょう。
また、胸の重さをしっかりと支えられるようにストラップは太め、カップの下部から一体化している方が下から持ち上げる力が強いため効果が高まります。なお、前提としてアンダーやカップサイズが自分の体にちょうど良いことが大切です。
小さかったり大きかったりしてしまうと、補正の効果が発揮されません。不安な時はフィッティングできる店舗で、お店の人にサポートしてもらいながら選ぶと良いです。
人の体は眠っている時も重力の影響を受けています。そのため、仰向けで寝ていれば四方に、横向きで寝ていれば体の下になった腕のほうに向かって、胸が流れていってしまいがちです。
せっかく日中にバストを意識してケアしていても、寝ている間に形が崩れてしまっていては意味がありません。そのため、睡眠中には専用のナイトブラでしっかりと支えてあげる必要があります。
ちなみに、日中に使用するブラジャーは立っている時に下向きにかかる重力に耐えるサポート力を持っていますが、眠っている時に四方へと流れていく胸をホールドする力は持ち合わせていないため代用ができません。ナイトブラは、日中の下着と異なる基準で選ぶ必要があります。
まず、睡眠中は育乳のために非常に大切な時間なので、ホールド力が高ければ良いというものでもありません。締めつけられたことにより、血行不良や栄養が行き渡らない原因になってしまっては逆効果です。
そのため、柔らかく支えるソフトワイヤーまたはノンワイヤーのタイプで、ちょっとした体型の変化にも対応できるように多段階ホックだと良いでしょう。四方に胸が流れていかないよう、脇や背中のケアにも気をつけたタイプがおすすめです。
まとめ
姿勢の良さは、育乳にとって非常に重要です。正しい姿勢を保つために必要な筋肉が発達していると、バストアップにも役立ちます。
歩く、座る、寝るといった日常の動作のなかでも、正しい姿勢を意識することが可能です。育乳のために、日々少しずつで良いので気をつけるようにしてみましょう。
なお、猫背などの体の癖は直りにくいので、補正下着やナイトブラなどの力を借りて、改善していくこともおすすめです。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |