- 睡眠不足や過剰なストレス
- 無理なダイエット
- 喫煙
育乳とダイエットが両立できないのはなぜですか?
(2020.04.14 追記)
育乳に必要なものを間違ったダイエット方法で減らすからです
「やせたいけれど、ダイエットをがんばるとバストが小さくなってしまう」といった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
しかし、バストの脂肪をできるだけ落とさず、おなか周りの脂肪を落とすことができれば、胸はふっくらと張りがあり、ウエストはキュッとしまったメリハリボディも夢ではありません。ターゲットの脂肪を間違えずに、正しい方法で落とせばいいのです。
すぐに実践できることなので、是非トライしてください。
ダイエットは胸の脂肪を減らします
本来、ダイエットとは美容や健康を保持するための食事制限のことですが、実際は体重を減らしてスマートになりたい人が多いため、食事全体の量や脂肪分の摂取量を減らすことをダイエットということが多いですよね。
また、有酸素運動は脂肪を燃焼する、筋肉をつけると脂肪が燃えやすくなるから筋トレをするというように、体脂肪を減らす運動を行うことも多いと思います。
しかし、単に体脂肪といっても大きく分けて2種類あるのはご存じでしょうか?
体脂肪を落とすためによく行われるダイエットや運動は、実はバストの大部分を占める脂肪を落としやすい行動なのです。体全体の脂肪も減りますが、ある程度バストがサイズダウンすることも否めません。
ただし、育乳をしつつ、適切な方法でおなかの脂肪を落とすことばできれば、ダイエットをしてもあまり胸が小さくならずにすみます。大切なのは、がむしゃらに食事制限や運動をするのではなく、まずはバストとおなかの脂肪について理解することです。
おなかの脂肪はバストの脂肪と違う種類の脂肪もあり、落とす方法も異なります。バストの脂肪はできるだけ落とさないようにしましょう。
乳房の中には、赤ちゃんに必要な栄養や免疫機能を与える母乳を分泌する乳腺があります。乳腺は、たくさんの小葉が集まって腺葉となり、15~20の腺葉が集まって形成されています。
そして、乳腺を守るため、周りには脂肪がついています。乳房は大胸筋の上に乗っており、網状になったクーパー靭帯が乳腺組織と脂肪組織を支えています。
単に太って体脂肪の量が増えてもバストのサイズは大きくなりますが、乳腺が太く発達すると、その周りの脂肪も増えるので、太らずにバストを大きくするには乳腺を太く発達させることが必要になるでしょう。また、バストが大きくなると重くなるので、バストを支えるクーパー靭帯がその重みで伸びてしまうことがあります。
クーパー靭帯は伸びきってしまうと、もとには戻らないので、胸が垂れてしまう恐れがあります。美しい胸の形をキープするためには、クーパー靭帯を伸ばし過ぎないように気をつけなければなりません。
体脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに分けられます。
皮膚と筋肉の間についていて、体の保温や筋肉を保護するなどの役割があります。
腸や肝臓など内臓の周りについていて、内臓を正しい位置に保ち、内臓への衝撃を和らげるなどの役割を持っています。
このように、体脂肪は体にとって必要なものなのですが、過剰に蓄積すると糖尿病や高血圧などの原因にもなるので、美容上だけでなく健康上においても増え過ぎないように気をつけなければなりません。
皮下脂肪と内臓脂肪では落ち方に違いがあります。例えば、内臓脂肪は脂肪の合成や分解の働きが非常に活発なので、食べ過ぎるとすぐに増え、適度な食事制限や運動をすると減りやすいという特性があります。
つまり内臓脂肪が落ちてから皮下脂肪が落ちるということなので、食べ過ぎを控え、皮下脂肪が落ちない程度に内臓脂肪にアプローチする運動を行って、胸の脂肪の減らし過ぎを防ぎましょう。
育乳には女性ホルモンの分泌量アップが必要不可欠
バストの成長には、女性ホルモンが大きな役割を担います。女性ホルモンには乳腺を発達させる働きがあるので、バストの大きさに関係する乳腺の太さは個人差はありますが、女性ホルモンの分泌量に左右されます。
女性ホルモンの分泌量を指示するのは脳の「視床下部」や「下垂体」と呼ばれる部分です。
自律神経や免疫機能もコントロールしていますが、不規則な生活などで自律神経が乱れると、その影響でホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。そして、女性ホルモンもちょっとしたことで分泌量が変化しやすく、分泌がスムーズに行われなくなると、脳や自律神経の機能を乱すという悪循環に陥りやすくなる可能性があります。
などの生活習慣は、女性ホルモンの分泌量を減少させる原因となるので、育乳の大敵といえます。
まずは、日常生活を改善して、女性ホルモンの減少を食い止めましょう。
ダイエット中はカロリーを減らすことばかりに気を取られて、食事量を減らしたり、脂質や炭水化物をむやみにカットしてしまったりしがちですが、それは育乳にとって逆効果です。特に、たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚、毛髪などを構成する成分であり、ホルモンや免疫細胞などを作る働きを持っています。
バストを支える大胸筋のためにも、不足しないようにしなければなりません。厚生労働省が推奨する成人女性のたんぱく質の摂取基準は1日50gといわれています。
しかし、毎日の食事でグラム数を計算して摂取するのは大変なので、
- 肉類
- 魚類
- 大豆製品
- 乳製品
- 卵
など、いろいろなたんぱく質をバランス良く食べるように心がけると良いでしょう。
また、脂質の中でもコレステロールは嫌われがちですが、ホルモンを作る材料となるので、必要な物質です。
当然それらだけでなく、
- ビタミン
- ミネラル
- 炭水化物
など他の栄養素も、それぞれ体を健やかに保つために必要な栄養素です。
栄養バランスの良い食生活を送ることが胸の発育にも好影響を与えることを忘れないでください。
バストが下垂しないようにしっかりと支えるためには、胸の周りの筋肉で一番大きい大胸筋を衰えさせないようにしましょう。しかし、ハードな筋トレをする必要はありません。
筋トレをやり過ぎると、胸の脂肪が燃焼してバストサイズが小さくなる恐れがあるからです。また、背筋も同時に鍛えることで体のバランスも整い、姿勢が良くなります。
基礎代謝も上がるので、是非行ってください。
- みぞおちの前で手のひらを合わせ、肘まで一直線にします。
- 両手をギュッと力を入れて押し合い、そのまま15秒ほどキープし、息を吐きながらゆっくりと力を抜きます。
- 10回ほど繰り返しましょう。
- タオルを肩幅より広く持ち、両手を頭の上に伸ばします。
- 息を吐きながら、肩甲骨を寄せるイメージで、肘を曲げながらタオルを頭の後ろに下ろしていきます。
- 息を吸いながら、縮んだ背中の筋肉を少しずつ伸ばしていく感じで腕を上げます。
- 5~10回繰り返しましょう。
いくら栄養をたくさん摂っても、それが体の隅々に届かなければ、バストの成長につながらないので、血流を良くすることも非常に大切です。血流を妨げる原因の1つが猫背です。
真っ直ぐに立ったとき、土踏まずと耳を結ぶラインが真っ直ぐになっていて、手が太ももの横にきていればOKですが、手が太ももの前に出ていたら、猫背になっている証拠です。スマホを操作したり、デスクワークをしたりしていると、猫背になりがちなので、時々姿勢をチェックしましょう。
また、肩甲骨周りをほぐすと血流が良くなるので、一度やってみてください。
- 手を両肩に乗せます。
- 両肘がくっつくようにしながら両腕を持ち上げます。背中側は肩甲骨を開くように、意識してください。
- 上まで上がったら、肘を後ろに回すように下ろします。今度は肩甲骨を寄せるように、意識してください。
- ゆっくり大きく5回ほど回しましょう。
リンパマッサージやツボ押しは、リンパ液や血液の流れをスムーズにし、乳腺を刺激することでバストに張りをもたらし、バストアップに良い影響を与えると考えられています。
- 右手親指以外の4本の指を、左の鎖骨の上に当て、肩先から中央に向かって軽く3回さすります。
- 4本の指を鎖骨の下に当て、同じように3回さすります。
- 左右を逆にして同様に行いましょう。
乳腺の発達を促進するといわれる「天渓(てんけい)」というツボは、バストトップからバストの外側に向かったラインと、脇の真ん中から下に真っ直ぐ下りたラインの交差する点に位置します。
- 左右のバストを持ち上げるようにして、親指で内側に向かって、左右のツボを同時に息を吐きながらゆっくり押します。
- 10回ほど行いましょう。
マッサージもツボ押しも強過ぎると、皮膚などを傷つけることがあるので、注意しましょう。
重力やバストの重み、体の動きによって、バストはどうしても揺れ動きます。ところが、その揺れが激しいと、クーパー靭帯は動く方向に引っ張られて伸びきってしまったり、ひどい場合は切れたりする恐れがあるので、ブラジャーで守って損傷させないように注意しなければなりません。
これは、バストが小さいからという油断は禁物です。ブラジャーをきちんと着用しないと、左右の胸が離れたり、バストトップが外側を向いたりしている、いわゆる「離れ乳」になる可能性があります。
さらに、加齢でもバストが下垂しやすいので、バストの形を整えるためにもブラジャーの着用は必須なのです。せっかくバストアップをしても、垂れてしまっては残念なバストになってしまいます。
睡眠時にはナイトブラ、運動時にはスポーツブラ、日中はボリュームや垂れなど気になる部分を補正するブラなど、シーンに合ったブラジャーがあるので、使い分けると良いでしょう。
食べ過ぎも極端な食事制限も健康を損ないます
内臓脂肪は、食べ過ぎるとすぐにたまりやすいので、まずは食べ過ぎないように気をつけることが大事です。しかし、摂取カロリーだけに注目して、食べる量を減らすダイエットはやめましょう。
油や炭水化物を抜いたり、数種類の食物だけを摂取したりするダイエットは、一時的に体重は落ちるかもしれませんが、リバウンドしたり、体に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。
- ハリつやを失う
- 肌がガサガサになる
- 髪はパサパサになる
- 脳に栄養が届かない
- 糖質がもとになるホルモンもあり、疲れやすくなる
- 頭がボーっとする
カロリーの摂り過ぎはいけませんが、健康に必要な栄養は摂取するようにしてください。また、内臓脂肪は運動で落としやすく、適度な運動は健康維持やストレス解消にも役立ちます。
少し食べ過ぎたかなと思ったら、軽く運動することを習慣にしてみましょう。
軽い運動で内臓脂肪を撃退
内臓脂肪を減らすためには、酸素を取り入れながら体脂肪を分解してエネルギー源にする有酸素運動が有効だと考えられています。
有酸素運動といえば
- ランニング
- サイクリング
- 水泳
などが思い浮かびますが、運動が苦手な方には少しハードルが高いかもしれません。
でも、そんなに運動しなくても大丈夫。激しい有酸素運動をやり過ぎると皮下脂肪まで落ちてしまうので、育乳には逆効果です。
最初は、少しだけ歩く時間を増やす、エレベーターを使わず階段で上がるといったことから始め、少しずつ時間を増やしていくと良いでしょう。また、筋トレを行ってから有酸素運動をすると、脂肪燃焼効果が高まるといわれています。
初心者向けの下腹部の筋トレをご紹介します。
- 床に足を伸ばして座り、両肘を曲げて後ろにつきます。
- 両足を真っ直ぐにくっつけたまま、床から上げます。
- 息を吸いながらひざを曲げ、できるだけ足の力ではなく、おなかの力で引き寄せるように意識して両足を引き寄せます。
- 息を吐きながら両足を伸ばします。
- 1日10~20回ほど繰り返しましょう。
内臓脂肪をためない食生活に変えましょう
食べ過ぎないようにするためには、まずは食習慣を見直しましょう。早食いやダラダラ食いをすると、脳に間違った信号が送られて、食べ過ぎに直結するので気をつけてください。
早食いを防ぐには、よくかむようにすること、ダラダラ食いを防ぐにはいつまでも食卓に残らず、一定量を食べ終えたら食卓から離れることをおすすめします。間食や夜食も控えてください。
それから、大豆に含まれるたんぱく質の一種には、肝臓の中性脂肪を減少させ、脂肪の分解を促す働きがあるといわれているので、納豆や豆腐などの大豆製品を積極的に食べるようにしましょう。また、EPAやDHAといった油も中性脂肪を減らして内臓脂肪をつきにくくするので、それらを多く含む青魚もおすすめです。
揚げ物を減らすなど、調理法を工夫して、油の摂り過ぎに注意することも必要です。その他、海藻やきのこ類などに含まれる水溶性食物繊維は、分解するときに内臓脂肪の増加を防ぐ「短鎖脂肪酸」が生まれるといわれているので、積極的に献立に取り入れてみてください。
間違ったダイエットは危険
太っているときの皮膚は、余分な脂肪で引き伸ばされている状態です。しかし、急にやせると、その部分の脂肪が減ったために、引っ張るものがなくなって、皮膚はたるんでしまいます。
当然、胸も垂れてしまいます。また、食事制限だけで減量しようとすると、脂肪の量だけでなく筋肉量や骨量も低下するので、体を支える力が弱くなり、腰痛やひざ痛などを起こしやすくなるリスクがあります。
厚生労働省でも、筋トレやウォーキングなど、骨に刺激が加わる運動を推奨しています。ダイエットは食事と運動のセットで行うものだと考えてください。
それから、インターネットなどで楽にやせられるダイエットサプリが販売されていますが、認可されていない薬物や化学物質など、体に害を及ぼす成分が入っている可能性もあり、大変危険と認識しておきましょう。ダイエットは目的ではなく、手段です。
短期間でやせようとする急激なダイエットや安易なダイエット方法は避けましょう。
まとめ
スリムで女性らしい曲線的なボディラインは、何もせずに待っていても手に入りません。やはり日常の食事と運動が大切ですが、キーポイントは「やり過ぎないこと」。
バストアップに役立つ食事や運動と、内臓脂肪を落とす食事や運動には共通点も多いので、無理をせず、少しずつ続けましょう。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |