- 授乳用ブラジャーを着ける
- しっかり栄養を摂る
- オイルやクリームを使用して保湿する
- 軽いマッサージを行う
胸の大きさが変わりやすい授乳期にできるバストケアとは?
目次
妊娠すると女性の胸は、赤ちゃんに母乳を与えるための準備を始めます。胸は大きくなり、形も色も変化します。
そして、授乳期以降は、母乳を与える役割が終わり、胸はしぼんでいきます。卒乳後は、妊娠前よりも胸が小さくなる場合もあるのです。この状態を放置すれば、胸は小さくなったままです。
では、ハリのある胸を維持するためにはどうしたら良いのでしょうか?今回は、胸の大きさが変化する原因と授乳期から始められるバストケアの方法を紹介します。
授乳期の胸はどんな状態?
授乳期は、胸が変化する時期が「3回」もあるといわれています。
産後2日目から3日目です。胸の張りや大きさもピークになり、ブラジャーのサイズが2カップ以上大きくなる場合もあります。
産後3か月から6か月です。授乳の間隔も開き始め、胸は少しずつ小さくなっていきます。
卒乳後です。卒乳後3か月くらいで、胸の大きさは、妊娠前の状態に戻ります。妊娠前より胸が小さくなったと感じる女性が多いようです。
授乳期の悩み①どこまで大きくなるの?
母乳は、赤ちゃんが飲みたいときに必要な量が出る仕組みになっています。
産後、胸が大きくなるのは「プロラクチン」という女性ホルモンが関係しているからです。プロラクチンには母乳を作る働きがあります。赤ちゃんが母乳を飲むと、その刺激でプロラクチンが脳下垂体から分泌され、乳腺で母乳が作られます。このように母乳を作るため、産後は胸の張りが強く、大きさもピークになるのです。
しかし、赤ちゃんが成長して母乳を必要としなくなると、母乳は作られなくなるので胸は小さくなるのです。
授乳期の悩み②左右の大きさが違ってきた?
授乳期の女性に多い悩みは、胸の左右差です。
胸の左右差の原因は、赤ちゃんが母乳を飲む胸が左右どちらかで決まっていることや、授乳機能が低下していることがあげられます。
胸の左右差の対策方法としては以下の3つがあります。
- 左右バランス良く、赤ちゃんに母乳をあげる
- 赤ちゃんがあまり吸わない胸側から先に母乳をあげる
- 授乳機能を上げるために搾乳をする
なお、骨盤のゆがみが原因で胸に左右差が出る場合もあります。気になる症状があれば、医師や助産師に相談しましょう。
授乳期の悩み③この大きさを維持したい
赤ちゃんが成長し、授乳の間隔が開き始めると、胸の張りがおさまってきます。
産後6か月から、胸が小さくなってきたと感じる女性も多いようです。さらに、卒乳後の胸は、妊娠前の状態に近づきます。
ただし、妊娠前の状態に完全に戻すのは難しいでしょう。母乳を出す役目を終えた胸は、皮膚が伸び、たるみが出て、垂れたような状態になるからです。
なお、赤ちゃんに母乳を与える期間が長いほど、胸へのダメージが大きくなり、下垂しやすくなります。そのため、胸の大きさやふくらみをできるだけ維持できるように、授乳期からバストケアをしましょう。
授乳期、胸の大きさはなぜ変わるのでしょうか?
授乳期以降、バストが小さくなる原因をみていきましょう。
授乳期後半から女性ホルモンが急激に減り、乳腺が衰えていきます。その結果、乳腺を守っていた脂肪も減り、胸が小さくなるのです。
クーパー靭帯とは、乳腺や脂肪をつなぐ靱帯で、胸全体を吊り上げるような働きがあります。赤ちゃんが母乳を吸う力で、クーパー靭帯が伸び、バストトップの位置が下がってしまいます。
母乳をたくわえるために、胸の皮膚が大きく伸ばされます。伸びた皮膚は元に戻らず、ハリを失った状態になり、胸が小さく見えるのです。
オムツ替えや抱っこなど、子育ては前屈みの姿勢が続きます。すると、内臓が圧迫され、血液の流れが悪くなり、胸にまで栄養や酸素が行き届かなくなります。
締め付けが少ないブラジャーは、胸を支えるホールド力が弱いかもしれません。ホールド力が弱い下着やノーブラでいると、胸の重みで形が崩れやすくなります。
赤ちゃんが母乳を吸う力は想像以上に強いものです。胸を下向きに強く引っ張られると胸がしぼんだようになります。
卒乳に向けて、胸はだんだん小さくなり下垂していきます。そこで、授乳初期からバストケアを行い、胸の形崩れを予防しましょう。
母乳を妨げないように、優しいケアにすることがポイントです。
バストを美しく見せるには、体に合ったブラジャーを身に着けることです。
授乳期でも、ノーブラで過ごすのはNGです。なぜならば、授乳期のバストは、通常よりも2カップ程度大きくなり、その重みをブラジャーで支えなければ形が崩れてしまうからです。
ノーブラは、バストの形や大きさが崩れる原因になります。日中は授乳ブラを、夜はナイトブラを着けると良いでしょう。
- 締め付けが少ない
- 授乳がしやすい構造
- 肌に優しい素材
- バストの重みをしっかりサポートする
- 締め付けが少ない
- 寝返りや横向きでもバストの位置を安定させる
- 血液やリンパの流れが良くなる
産後は、しっかりと栄養を摂り、体の回復を早めていきましょう。
- 炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5大栄養素を意識する
- 朝・昼・夜と3食きちんと食べる
- カロリーは多めに摂る
鉄分は、血液を作るミネラルです。授乳期は、鉄分が不足しやすいため積極的に摂りましょう。
鉄分を多く含む食材は、ひじき、ホウレン草、納豆、レバー、プルーンなどです。
カルシウムには、歯や骨を丈夫にする働きがあります。カルシウムは母乳を作るとき失われるため、欠かさず摂りたいミネラルです。
カルシウムを多く含む食材は、牛乳、小魚、小松菜、モロヘイヤ、ひじきなどです。
葉酸は、ビタミンB群の一種で、母乳を介して赤ちゃんの成長を助ける栄養素です。葉酸を多く含む食材は、枝豆、ブロッコリー、芽キャベツ、アスパラガス、春菊、いちごなどです。
亜鉛には、ホルモンの分泌を促す役割があり、不足すると抜け毛や肌トラブルが起こりやすくなります。亜鉛を多く含む食材は、赤身肉、甲殻類、うなぎ、煮干し、切り干し大根、小麦胚芽、全粒粉などです。
ビタミンEには、ホルモンの分泌を調整する働きがあり、美肌効果も期待できます。ビタミンEを多く含む食材は、アーモンド、アボカド、サバ、カボチャ、春菊、キウイフルーツなどです。
アルコールを飲むと、母乳にアルコールの成分が含まれてしまう可能性があります。
カフェインを過剰摂取すると、母乳から赤ちゃんに伝わり、寝付きが悪くなることがあります。なお、コーヒー、コーラ、チョコレート、栄養ドリンクなどにカフェインが含まれている場合もあります。
糖分を摂りすぎると、母乳の質が悪くなったり乳腺炎になったりする可能性が高くなります。
肌が弾力を失うと胸も小さく見えてしまいます。肌の潤いを保つことも、胸のハリを維持する大切なポイントです。
保湿効果のあるオイルやクリームなどを使い、マッサージしましょう。手の温もりや香りが肌に伝わり、リラクゼーション効果も高まります。
ただし、バストアップ効果を謳うようなクリームやオイルは、その成分が赤ちゃんに影響を与える可能性があるため注意が必要です。
- パッケージにある成分を確認する
- 香りの強くないものを選ぶ
- 低刺激や敏感肌用タイプにする
授乳期に心がけたい行動①姿勢を良くする
授乳中は、気づかないうちに猫背になっています。これは、授乳、抱っこ、オムツ替えなど、前屈みの姿勢が続くためです。
前屈みの姿勢が続くと、なぜ胸に良くないのでしょうか?それは、血流やリンパの流れが悪くなり、胸に栄養や酸素が行き渡らなくなるからです。
授乳時、胸の高さより低い位置に赤ちゃんの頭を置くと、乳首を引っ張られて、胸が下垂する原因になります。背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識しましょう。
授乳期に心がけたい行動②体を冷やさない
産後、冷え性になる女性は多いようです。冷え性から体温が低下し、ホルモンバランスが乱れてしまいます。すると、胸が小さくなるだけではなく、母乳も出づらくなります。
- ホルモンバランスの変化
- 自律神経の乱れ
- 筋力の低下
子育てに忙しいと湯船に浸る時間がないかもしれませんが、できるだけ湯船に浸るようにしましょう。
足元を温めると全身が温まりやすくなります。
温かい飲み物を飲んで、体の内側から温めるようにしましょう。
授乳期に心がけたい行動③抱っこ紐の位置
授乳中のお出かけは、オムツや哺乳瓶など荷物が多くなります。重いバックの紐が、肩や脇に食い込んでしまうこともあるでしょう。また、抱っこ紐が背中や胸まわりを押さえつけてしまうこともあります。
このように紐が、脇のリンパや胸まわりを圧迫すると、血行が悪くなり胸の大きさや形が崩れる原因になります。
そのため、紐の位置や長さを調整したり、バッグを持つ腕は左右どちらかに偏らないように注意しましょう。
授乳期、バストマッサージはしても良いの?
きれいな胸を維持するには、妊娠中や授乳期など、早い段階でバストケアを始めるのが理想です。
授乳中は、ホルモンバランスが崩れやすく体が不安定です。そのため、マッサージを始めるのは、産後3か月から6か月、授乳の間隔が開いてくる頃が良いでしょう。
なお、授乳期は乳腺炎やしこりなど、胸のトラブルが多いものです。また、最近は乳ガンの発症率が上がっています。マッサージをすると、このようなトラブルの早期発見にも繋がります。
「湯上がりにマッサージをする」など、タイミングを決めて習慣にするのも良いでしょう。もし、マッサージ中、胸に痛みを感じたり違和感があったりしたら、すぐに病院に相談してください。
バストアップのために、胸まわりのリンパ腺を刺激するマッサージをしましょう。手のひらで優しくなでるように、マッサージするのがポイントです。
- 胸の中心をマッサージするため、鎖骨の中心に右手の人差し指から小指の4本をあて、みぞおち部分に左手の4本の指をあてます。
- そのまま右手をみぞおちに向けて、左手を鎖骨に向けて上下交互に動かします。
- 右胸の下部に右手のひらを置き、左手もそえて下から上に持ち上げます。
- 左胸も同様に行います。
- 右胸の上部内側に左手を置き、右手は右胸の下部外側に置きます。
- 両手のひらで、胸全体を包み込むように動かします。
- 左胸も同様に行います。
体を動かしたい気持ちになったら、胸を支えている大胸筋を鍛えるトレーニングをしましょう。負担の少ない大胸筋のトレーニングを紹介します。
- 背筋を伸ばして両手を胸の前で合わせる
- 顔の前まで腕を上げて5秒キープする
- そのままおへそまで下げて、5秒キープする
- これを1日に5回程度行う
- 壁と足の指先が10cmほど離れた位置に立つ
- 肩幅より少し狭めに足を広げ、両腕を伸ばし、両手のひらを壁に置く
- 息を吸いながら、2~3秒かけて両腕を曲げる
- 息を吐きながら、両腕を戻す
- これを5回程度行う
- 1セット5回、1日に3セット程度行う
壁を使う腕立て伏せでは、腰が反らないように注意しましょう。急に腰を反らすと、腰を痛める可能性があります。
負荷をかけたい場合は、壁と自分の位置を離すと良いでしょう。傾斜が大きくなり、大胸筋への負荷が強化されます。
産後は、「早く体型を戻したい」と思う方も多いでしょう。しかし、ダイエット方法によっては、胸を小さくする原因になります。
食事制限によるダイエットをすると、胸にある脂肪がエネルギー源となり、胸から先に痩せてしまうのです。
授乳中の女性は、通常よりも350キロカロリー多めに摂った方が良いといわれています。それだけ栄養や体力が必要なのです。食事制限によるダイエットは避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。
卒乳後は、赤ちゃんの動きも激しくなるため自然と痩せていきます。赤ちゃんとの散歩や遊びが、適度な運動になるでしょう。
サプリメントを服用する女性が増えていますが、授乳中の服用は注意が必要です。
バストアップを謳うようなサプリメントには、ホルモンの分泌を促す成分が含まれている場合があり、ホルモンバランスを崩してしまうかもしれません。また、サプリメントの成分が母乳に入ってしまうこともあります。
サプリメントを服用する際は、薬剤師や医師に相談しましょう。
まとめ
産後、「早く妊娠前の体形に戻りたい」と思う女性も多いでしょう。しかし、授乳は体力勝負です。まずは、自分の体を労り、体力の回復に努めましょう。それが、胸の大きさを維持するポイントになります。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |