- 授乳
- 入浴
- 着替え
- おむつ交換 など
産後のバストにできたしわは垂れ対策で改善できる?
(2020.07.13 追記)
ほとんどの女性は、妊娠中から授乳を終えるまで、数サイズアップしてふっくらとボリュームのあるバストになります。しかし、授乳を終えてしばらくすると「しぼんでしわしわのバスト」になってしまいます。
これは、妊娠中から大きくなったバストを筋肉が支え切れなくなったり、皮膚が伸びてしまったりするのが原因です。バストの垂れ対策を行えば、しわだって予防できるのです。
今回は「妊娠から出産までのバストの変化」と「授乳後、しわができてしまう原因と対策」をご紹介します。
妊娠・出産でバストはこう変わる
女性のバストは、妊娠から出産、出産後の授乳や卒乳してからどのように変化をするのでしょうか?
女性の体は、お腹で赤ちゃんを育て、出産後の授乳のために女性ホルモンの分泌が盛んになります。そのため、バストもふんわりと大きくなりますが、授乳が終了すればあっという間にしぼんで小さくなってしまうのです。
ハリがなくなり、しぼんでしまったバストは、とても残念ですが、適切な対策を行えば防ぐことができます!
まずは、バストの変化がどのように起きるのかを見ていきましょう。
女性のバストは、90%の脂肪組織と10%の乳腺組織、この2つを支えるクーパー靭帯でできています。
しかし、妊娠すると女性ホルモンの分泌が盛んになり、乳腺組織が発達を始めます。また、乳腺の周りの脂肪組織も増えるため、ふっくらとした大きなバストになるのです。
妊娠前は小さかったバストの女性でも、2~3サイズアップする程大きくなる方もいらっしゃいます。バストの重さは3~4倍になるともいわれていて、クーパー靭帯に大きな負担がかかり、伸びたり切れたりしてしまうことが考えられます。
伸びたり切れたりしたクーパー靭帯は、元には戻りません。妊娠中は、このクーパー靭帯に負担がかからないように気をつける必要があるのです。
妊娠中に活発に分泌された女性ホルモンは、出産すると減少し始めます。大きくなっていたバストは元のサイズに戻っていきますが、今度は授乳のために乳腺がより発達をしていきます。
授乳で赤ちゃんが乳首を吸う刺激で乳腺は発達し、母乳が蓄えられることでより一層バストは大きくなります。この出産後から授乳を終える卒乳までの間がもっともバストのサイズが大きくなる時期なのです!
クーパー靭帯に負担をかけることは『妊娠から出産まで』でもお話ししましたが、大きくなったバストはこの授乳の時期、赤ちゃんが母乳を飲む時の姿勢の影響で下側に引っ張られてしまい、皮膚やクーパー靭帯の伸びの原因となり、全体として垂れ下がってしまいます。
授乳中は大きなバストを維持していても卒乳するとバストは徐々にしぼんで元のサイズに戻っていき、一年後には妊娠前のサイズに戻ります。ところが、サイズは元に戻っても、ハリがなくなり、垂れ下がったり、胸の形が変わってしまったりしてしまいます。
この原因は「皮膚の伸び」と「クーパー靭帯の損傷」です。
大きくなっていたバストが元のサイズに戻っても「皮膚は伸びたまま」で簡単に元には戻りません。また、赤ちゃんが授乳時に下に引っ張る力や大きくなったバストの重力を支えるため、クーパー靭帯が伸びたり、切れたりして「損傷」してしまうのが原因です。
加えて、赤ちゃんのお世話をする際、猫背になりやすく、胸を支える大胸筋の力が低下してしまうことも、しわのある垂れ下がったバストになってしまう原因といえます。
バストのしわは垂れが原因
妊娠してから卒乳までの2年間ほどで、バストは大きくなったり、小さくしぼんだりと…目まぐるしくサイズが変わります。妊娠や授乳中のバストサイズを維持できればいいのですが、残念ながら卒乳後、バストは元のサイズに戻ってしまいます。
妊娠前のサイズに戻るだけなら心配はないのですが、実際には「形が悪くなる」「しぼんで垂れてしまう」「しわしわの状態になる」という方が多くいらっしゃいます。
しわしわのバストの原因は、卒乳後の垂れが原因です。それならば、バストの垂れを防止することでバストのしわを防ぐことができるということになりますよね?
そこで、垂れの防止対策をお話しします。まずバストが垂れる原因を3つご紹介します。
バストがしぼんで垂れてしまう原因のひとつは「乳腺の衰退」があります。
妊娠してから授乳をしている間「プロラクチン」という女性ホルモンが活発に分泌されます。このプロラクチンは、乳腺組織を発達させ、母乳を作り出す作用があります。
しかし、このプロラクチンは授乳中からどんどん減少し、卒乳後は正常値に戻りますが、乳腺組織も衰退していくため、バストがしぼんでしまうのです。
また、バストを支えているクーパー靭帯もバストが大きくなったことで伸びきってしまい、バストが小さくなっても支えきることができず垂れてしまうのです。
その上、短期間で大きくなったバストの皮膚は、真皮の断裂を起こして損傷しているのに、乳腺組織や脂肪が急激に減ることでしわができる原因になるのです。
出産をして赤ちゃんを迎えることは、とっても喜ばしいことなのですが、ホルモンバランスの変化だけではなく、生活習慣も大きく変化します。
赤ちゃんのお世話は24時間態勢で行われます。
そして、上記のほとんどが猫背の姿勢で行わなくてはなりません。
猫背の姿勢を続けると、血行が悪くなりバストに必要な栄養素が届けられなくなってしまうだけでなく、バストを支える大胸筋が衰えて垂れの原因になってしまいます。
また、赤ちゃんのお世話が大変で自分の食事にまで気を配れず、偏った食事になりがちになります。バストの成長には「たんぱく質」が欠かせませんが、手っ取り早く空腹を抑えるために炭水化物中心の食事になりがちで、たんぱく質の摂取が十分にできない傾向が見られます。
バランスの良い食事を心がけ、赤ちゃんのお世話をする時も姿勢を伸ばすようにすることが大切です。サプリメントの摂取も手軽で有効でしょう。
サイズの合わないブラを使用することも垂れの原因になります。
出産後に着用するブラは、授乳がしやすい形とバスト周りの血行を良くするために締めつけのないデザインになっています。逆に考えると、バストの形を整えたり支えたりする機能が低いといえます。
バストのお肉は流動的で、しっかりと寄せて支えてあげないと「背中」「脇」「お腹」などに流れて行ってしまうのです。授乳中は徐々にバストがしぼんでいくのに卒乳まで同じブラをしていると、乳腺組織の減少に並行して、バストも垂れ続けます。
また、卒乳後も授乳中のブラを継続して使用したり、妊娠前のブラを使用したりする方も多くいらっしゃいますが、合わないブラは垂れを促進してしまいます。
産後のバストケア方法
産後のバストケアは美しいバストを保つためには、とても重要です!
バストケアを行わずにいると卒乳後、妊娠前のバストサイズに戻っても「垂れ」や「しわ」によって、ほとんどの女性がバストラインの崩れを感じます。産後、美しいバストラインを維持し、垂れを防止するためには、適切なケアが必要になるのです。
垂れを防止するだけでなく、垂れてしまったバストを戻す効果も期待できます。ここでは、垂れやしわを防止するバストケアについて8つ紹介します。
「妊娠から出産」「授乳から卒乳」まで、バストのサイズは大きく変化をします。そんなバストをしっかりと支えるためには、同じサイズのブラを使い続けていては効果がありません。
サイズの変化や赤ちゃんのお世話に合わせて、ブラを選びなおす必要があるのです!
まずは、頻繁にバストサイズを測るようにしましょう。妊娠中から大きくなり始めるバストは、卒乳までの間、クーパー靭帯や大胸筋に負担をかけ続けます。
垂れないためにしっかりと支えられるブラが必要なのですが、ワイヤー入りや補正力の強いブラを着用し続けると、バストを圧迫しすぎて乳腺組織や毛細血管に影響を及ぼす場合があります。
だからといって、ブラを着用しないで生活すると、バストの重みが原因でクーパー靭帯に損傷を与えてしまいます。卒乳するまでは、妊婦用のブラや授乳用のブラをバストサイズに合わせて着用しましょう。
卒乳をしたら、バストは徐々にサイズダウンしていきます。ここからは、バストの悩みに合ったブラを着用する必要がありますので、サイズを測りなおしてからブラを選びましょう。
卒乳後、背中や脇、腹部に流れやすくなっているバストのお肉を「補正力の高いブラ」を着用してバストの位置に集めるようにします。
そして「ナイトブラ」を着用することもおすすめです!
ナイトブラは、サイズの合ったものを継続して着用することで効果が発揮されます。昼間、バストに集めたお肉をナイトブラで夜の間に定着させることが期待できるのです。
皮膚トラブルの原因の多くは乾燥起源です。それは、バストの肌でも同じことで、しぼみ始めたバストが乾燥状態にあるとしわしわの状態が加速してしまうのです。
授乳中はバストクリームが赤ちゃんの口に入ってしまう心配がありますが、卒乳後であれば使用しても大丈夫です!
バストクリームを塗って保湿をすれば、バストのハリやツヤがアップして、しわしわの状態の改善が期待できます。
妊娠中に妊娠線予防のクリームを使用していた方は、そのまま使い続けても大丈夫です。
バストクリームには「バストアップ効果」や「バスト周りのお肉を集めて定着させる効果」があるものも販売されています。バストだけでなく脇や背中お腹にもしっかりとクリームを塗って保湿をすることが大切です。
注意したいのは、卒乳したといってもまだまだ肌は敏感な状態が続いていますので、できるだけ刺激の少ないクリームを選びましょう。新しくクリーム購入した時は、皮膚トラブルを起こさないか「パッチテスト」を行ってから使用するようにしましょう。
卒乳後にバストが垂れないようにするには、マッサージが効果的です。
バストマッサージを行う時は、摩擦防止のため「バストクリーム」や「美容液」を塗ってから行いましょう。バストクリームを塗る時に、マッサージを行いながら塗ると効果が上がることが期待できます。
効果的なマッサージの方法をご紹介します。
- 両脇からバストの中心に向かってマッサージを行います。背中や脇についているお肉をバストに引き寄せるイメージで行ってください。
- 次にバストの下からバストを持ち上げるようにマッサージを行います。バストを手のひらで包み込んで持ち上げると効果的です。
- 左右それぞれ10回ずつ行いましょう。
- 片方の腕を上に挙げます
- その状態で反対側の手で肩甲骨を掴んで脇の下に引っ張るようにマッサージをします。脇の下に引っ張る時に腕を後ろ側に動かすと肩甲骨が動くので効果的です。
バスト周りの筋肉をほぐしてあげると血行が良くなりバストにお肉がつきやすくなります。また、猫背の改善にもなります。
- バストの上部に手のひらを当てて喉元に向かって引き上げるようにマッサージします。
- 力を入れずにやさしく10回行います。
卒乳後のバストはデリケートなのでクーパー靭帯や乳腺組織を傷つけないように「やさしく」行うことが大切です。痛みを感じるような時は、マッサージをお休みしてくださいね。
バストの垂れを防止するためにもバストアップ効果の高いエクササイズを行ってみましょう。
- 両腕をバストの位置で合わせて手のひらを押し合うように力を入れます。
- 10秒間キープします。
この時、呼吸は止めないように気をつけましょう。筋肉を鍛えるには呼吸がとても重要です。
合掌のポーズは、二の腕を引き締める効果もありますので、スッキリとしたバストラインを作ることも期待できます。
腕立て伏せはバストアップにとても効果がありますが、なかなか続けるのが大変なエクササイズです。腕立て伏せを壁に向かって行うことは、体の負担は少なくてもバストアップの効果は期待できます!
- 腕を伸ばして壁に当たる場所に立ち、腕立て伏せをします。
- 呼吸をしながら10回行いましょう。
負担が少なく物足りないという方は、足のサイズ1足分下がって行ってみましょう。
ちょっとした時間にできるエクササイズですので試してみましょう。
- 椅子に座って前屈みになり両手で揃えた両膝を押し合うようにします。
- そのまま10秒キープします。
- 呼吸を整えながら5回行いましょう。
合掌のポーズを、両膝を挟んで行う感じです。バストの両サイドから二の腕にかけて筋肉に作用しているのが実感できると思います。
卒乳後、間もない方は、無理をせず簡単なものから始めてくださいね。
バストを支えているクーパー靭帯が大胸筋にくっつくことで脂肪組織まで大胸筋に流れてしまいます。このクーパー靭帯を大胸筋からはがしてあげるのが「おっぱいはずし」です。
おっぱいはずしを行うことで、脂肪組織が流動的になりバストに戻すことができるようになります。
- 腕を下ろした状態で両脇を開きます。
- 肩甲骨の下のあたりから脇に向かって脂肪を10回集めます。
- 集めた脂肪を鎖骨に向かってすくい上げるようにかきあげます。
- 次に胸を下から持ち上げ10回やさしく揺らします。
バストを正しい位置に持ち上げ、外側に流れて形が崩れてしまったバストの形を整えます。また、バスト上部にある脂肪に栄養と酸素を届け、リンパを流し循環を良くする効果があります。
- 左側のバストを右手で持ち上げ鎖骨の真ん中に向かって大きく揺らします。
- バストを両脇から中央に寄せるように持ち上げ、上方向に向かって揺らします。
- 同じように右側のバストも揺らしましょう。
揺らす時は、1秒間に2・3回の速さで弾ませるように揺らすのがポイントです。バストアップだけでなく、ホルモンバランスを整え血流やリンパの流れを良くしてくれるので、生理痛や肩コリの緩和にも効果が期待できますよ。
バストアップといえば大胸筋トレーニングというように、卒乳後の垂れ防止にも効果が期待できます。これまでに紹介した「合掌のポーズ」と「壁腕立て伏せ」も大胸筋トレーニングのひとつですが、ここではもうひとつご紹介します。
- 500mlのペットボトルに水を入れて重りにしたものを2本用意します。
- 肩幅ぐらいに足を開いて立ちます。
- 両手に1本ずつ水の入ったペットボトルを持ちバストの前で両手を合わせます。この時、手の高さは肩の高さに持っていくと効果が上がります。
- 息を吸いながらペットボトルを持った手を横に広げて腕を伸ばします。
- 腕が伸びきったら5秒間キープをしてから、息を吐きながら腕を元に位置に戻します。
筋肉を発達させるためには、呼吸は重要です。呼吸を止めると筋肉がこわばり固まってしまうのです。呼吸を止めないように意識して、1回5セットを1日5回ぐらい行いましょう。
バストの垂れを防止するために、必要な栄養素を摂り入れバストアップしましょう。栄養素の摂り入れは、卒乳を待たなくても妊娠中からできることですので、積極的に取り組んでみましょう。
バストアップに必要な栄養素を3つご紹介します。
たんぱく質はホルモンの材料になる栄養素で、以下の食品から摂取することができます。
- 鶏のささ身
- ヒレ肉
- 豆腐
- 納豆などの大豆製品
- 卵
- マグロ
- 乳製品
バストアップのためには、体の大部分を作るたんぱく質を摂取する必要があります。「動物性」と「植物性」のたんぱく質をバランスよく摂るように心がけましょう。
ビタミンAは弾力やハリを与えてくれる栄養素で、レバーに多く含まれることで有名です。
その他、以下の食品からも摂取することができます。
- ほうれん草
- にんじん
- イカ
- 卵の黄身
野菜に含まれるビタミンAは、油に溶けると吸収が良くなるので、野菜炒めや揚げ物で食べるといいでしょう。ビタミンAを摂りすぎると赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、妊娠中は注意が必要です。
ビタミンEは細胞の老化を防ぎ血行を良くする働きがあります。
摂取することができる食品は以下になります。
- 植物性の油
- アーモンド
- かぼちゃ
- いくら
- 明太子 など
ビタミンEは酸化しやすいため、新鮮なものを摂取するようにしてください。また、ビタミンEの摂り過ぎは出血しやすくなるともいわれています。バストアップにいいからといって、摂り過ぎは悪い影響を及ぼすことにつながります。
様々な栄養素をバランスよく摂取するように気をつけましょう!
バストアップをするには、まず「心身の健康」が基本です。でも、出産後の赤ちゃんのお世話をはじめ、子育て中は思うような生活ができない日が続きます。
忙しい生活の中でも取り組みやすいのが姿勢の改善です。
「バストのしわは垂れが原因」でもお話ししましたが、赤ちゃんのお世話は、猫背でいることが多いものです。おむつ替えや授乳など、お世話がすんだ後、姿勢を伸ばす習慣をつけましょう!
胸を張って肩を後ろにグッと引くだけでも背筋が伸びて猫背の改善に効果が期待できます。背筋が良くなると血行も良くなり、バストアップに必要な栄養素が届けやすくなります。
24時間のお世話がひと段落したら、睡眠の質を見直してみましょう。「夜10時から翌朝2時」のゴールデンタイムに睡眠を取るのが理想的ですが、それが難しい場合でもできるだけゴールデンタイムに近づけるように就寝しましょう。
ホルモンバランスを整えるためには適度な運動も欠かせません。特別な運動を行う必要はありませんので、バストアップを兼ねたストレッチやマッサージを生活に取り入れてみましょう。
まとめ
産後にバストが垂れてしまうのは「仕方がないこと」と諦めることはありません。
妊娠から出産、授乳から卒乳まで、女性のホルモンバランスは変化し、授乳の影響からバストが垂れてしまうのは生理現象のひとつといえますが、適切なバストケアを行うことでバストアップは可能なのです。
今回ご紹介させて頂いたバストケア全てを実践することは、なかなか難しいことではありますが、できることから始めてみましょう!
バストアップは短期間で効果が出ることはありませんので、毎日コツコツと継続して行い、ハリとツヤのあるバストを取り戻しましょう。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |