- イライラする
- 不安感が強くなる
- 怒りっぽくなる
- 憂鬱になる
- 涙もろくなる など
生理前になると、いつもより胸が大きくなるのは気のせい?
(2020.11.19 追記)
生理前になると、「ちょっと胸が大きくなった」と感じることはありませんか?
バストアップするのは、なんだかうれしい感じがしますが、実際には胸が大きくなりすぎて普段のブラジャーが使えなかったり、胸の張りや痛みから苦痛を感じたりする場合もあるようです。
では、なぜ生理が近づくと胸がいつもより大きくなるのでしょうか?
今回は、胸の大きさが変化する仕組みやその原因と対策方法について紹介します。
生理前になると胸の大きさが変化します
女性の体は女性ホルモンの影響を受けやすく、ホルモンバランスが崩れると、気分の落ち込みや体調不良などが起こります。生理前に胸が大きくなったと感じるのも、この女性ホルモンの影響です。
特に生理の3~10日前の不調は「PMS(月経前症候群)」といわれています。PMSの症状は下記のようなものがあります。
- 胸が張る
- 腰痛
- 頭痛
- むくみ
- 体重増加
- 肌荒れ
- 眠気
- 不眠
- めまい
- だるさ など
- 集中力の低下
- 意欲の減退
- 食欲不振
- 過食 など
生理と女性ホルモンの関係
生理に影響を与えるのは、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンです。これらの女性ホルモンが、月経周期に合わせて分泌されて生理が起こります。
女性の体内では、約1ヶ月に1回卵巣から卵子が排出され、これを「排卵」と呼びます。排卵した卵子が精子と出会い受精し、子宮内に着床すると「妊娠」になります。
子宮では月経周期に合わせ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くしていきますが、受精しなかった場合、子宮内膜が必要なくなるため剥がれ落ちます。これが「生理」です。
なお、月経周期は、28日を1サイクルとしており、毎月ほぼ規則正しく繰り返されます。
生理と女性ホルモンの関係は、以下のようなサイクルになっています。
- 生理が終わると、卵巣にある原子卵胞が発育して「エストロゲン」の分泌量が増加していく
- 「エストロゲン」に刺激され、子宮内膜が厚みを増す
- 原子卵胞が完熟し、「エストロゲン」の分泌量がピークを迎える
- 排卵後、「エストロゲン」の分泌量が減少していく
- 卵胞が黄体という組織に変化し、「プロゲステロン」の分泌が始まる
- 排卵から7日程度で「プロゲステロン」の分泌量がピークを迎える
- 妊娠しなかった場合、「プロゲステロン」の分泌が止まる
- 不要になった子宮内膜が剥がれ落ちる
- 血液と共に体外へ排出され、「生理」が起こる
エストロゲンは、女性を美しくする働きがあり「美のホルモン」としても有名です。また、エストロゲンは卵胞から分泌されるため「卵胞ホルモン」とも呼ばれています。
女性ホルモンの分泌は、生理が始まる10歳頃から始まり、20代前半になると分泌量がピークを迎えます。また、20代から30代前半は女性ホルモンの分泌量が安定しており、妊娠や出産にも適した時期です。
30代後半になると、女性ホルモンの分泌量が徐々に減少していきます。その後、生理が終わる「閉経期」になると、女性ホルモンの分泌量は激減します。
エストロゲンが増加すると体は女性らしくなり、健康を保てます。そして、妊娠しやすくなると言われています。
- 肌や髪に潤いやハリを与える
- 新陳代謝を促す
- 血管や骨を強くする
- 自律神経を整える など
プロゲステロンは、妊娠を安定させる女性ホルモンです。また、プロゲステロンは黄体から分泌されるため「黄体ホルモン」とも呼ばれています。
プロゲステロンの増加すると体の中で妊娠の成立や維持をサポートしてくれます。
- 受精卵の着床を助ける
- 体温を上げる
- 赤ちゃんを育てるために栄養を蓄える
プロゲステロンには、体内に水分や栄養をため込む性質があります。そのため、むくみや便秘が起こりやすくなるというマイナス面があるのです。
また、プロゲステロンの分泌量がピークを迎える生理前は、PMSの症状も出やすいため、少なからずPMSの症状にプロゲステロンの増減の影響は関係しているといわれています。
胸とホルモンの関係
そもそもホルモンとは、どのようなものなのでしょうか?
ここからは、女性の胸とホルモンの関係についてみていきましょう。
胸に関係するホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの他にも「オキシトシン」や「プロラクチン」というものがあります。
プロゲステロンの作用で一時的にサイズアップ
1か月の中で女性の体は、まるでジェットコースターのように変化します。
エストロゲンが優位なときは心身が安定し、胸は美しい状態をキープできますが、プロゲステロンが優位なときは、心がどんより憂鬱になり、体調も優れません。また、胸は張りや痛みが出て、一時的にサイズアップしたようになります。
中には「生理前になるとバストサイズが1カップ程度大きくなる」という方もいます。つまり、胸はサイズアップしたりサイズダウンしたりを繰り返しているわけです。
生理前に胸が大きくなるのは、プロゲステロンの作用だと考えられています。プロゲステロンには、妊娠準備のために栄養や水分を体内にため込む性質があります。その影響が胸にも現われます。
プロゲステロンの分泌が増える生理前になると、胸が大きくなったように感じるのです。つまり、胸そのものがサイズアップしたというわけではありません。
胸のハリや痛みが酷い場合は、自律神経の乱れが関係しているかもしれません。自律神経を整えるために、体をゆっくり休ませましょう。
また、胸にしこりやくぼみがあるときは、乳腺炎などの病気の可能性があるため、医療機関を受診してください。
生理前後、ブラジャーが苦しいと感じるときはサイズアップを考えましょう。
生理前は、肌が敏感になります。そのため、ブラジャーの素材を確認して、肌触りが良いものを選ぶと良いでしょう。
また、体に優しいイメージがある「ノーブラ」や「カップ付きのキャミソール」は要注意です。胸の位置が安定せず揺れてしまうため、胸の重みで痛みを感じる場合もあります。
一時的なものでも、バストアップするとうれしく感じるかもしれませんが、そのサイズは長く維持できません。
生理前に大きくなった胸は、生理が終わると元のサイズに戻ります。これは、プロゲステロンの分泌量が減り、水分が保持できない状態になるからです。
生理前、体全体にため込んだ水分は、生理後、経血や尿と一緒に体外に排出されます。その結果、胸のむくみもとれてサイズが元に戻るのです。
ただ、生理前後はイライラしたり落ち込んだりと、気持ちの浮き沈みが激しい時期です。普段なら気にならないようなことでも神経質になってしまいます。
バストサイズが変化しても、「女性ホルモンのせいだ」と割り切るようにしましょう。
排卵後から生理前は、プロゲステロンの働きでむくみが強く出ることがあります。
まず、むくみを改善するために血行をスムーズにしましょう。もともと女性は、水分の排出を助ける筋肉量が少ないため、血行不良からむくみが出る場合があります。
ウォーキングなどで筋力を高め、水分を排出する力を強めてあげましょう。顔や手足のむくみの改善にも役立ちます。
その他「ぬるめの湯船に浸かる」「マッサージする」などで、体温を上げて血の巡りを良くしましょう。
また、生理前のブラジャーは、「普段より大きめサイズのもの」「ワイヤーなしのもの」などを使い、リラックスして過ごしてください。
むくみ対策は、生理痛やPMSの改善にもつながります。
- 小松菜
- トマト
- りんご
- バナナ
- 豆
- 芋
- 海藻 など
まとめ
生理前、女性ホルモンの影響から「胸が大きくなった」と感じる方がいます。ただ、これは一時的なものです。
生理が終われば、胸の大きさは元に戻ります。まずは、胸の大きさに左右されないように、生理日を把握してください。
そして、自分の体にしっかり向き合い、美しいバストを目指しましょう。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |