あきらめない!産後のバストの変化に対応するブラジャーとは?
バストの悩みQ&A

あきらめない!産後のバストの変化に対応するブラジャーとは?

(2020.12.15 追記)

産後、バストが垂れたりデコルテ部分がそげたりすることがあります。

妊娠中にバストが大きくなったと喜んでいたのに、授乳や卒乳後、バストが小さくなったと悲しんでいる女性もいるようです。こうした変化は、バストの老化の始まりでもあります。

産後も、年齢を重ねても、まだまだきれいなバストを諦めたくはありません。しかしながら、忙しい育児の合間にできるバストケアは限られています。

だからこそ、つけるだけでバストが美しく見える「ブラジャー」が大切です。

産後~卒乳期のバストはめまぐるしく変化します

産後~卒乳期のバストはめまぐるしく変化します
妊娠から出産までに、バストは平均して2~3カップ、重さは3~4倍ほど大きくなります。しかし、産後1年ほどでバストは元の状態へ戻っていきます。

妊娠から産後にかけてバストが大きく変化する理由は、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が関係しています。

エストロゲンには、バストにある「乳腺」を増殖させる働きがあります。そして、プロゲステロンには乳腺の先端にある「乳腺葉」を発達させる働きがあります。

乳腺葉とは?
血液から母乳をつくりだす組織です。

妊娠するとバスト内部で乳腺葉が発達し、それを守るために脂肪が増え、バストが大きくなるのです。

さらに、産後は「プロラクチン」というホルモンが分泌され、母乳が出るようになります。その後、卒乳とともに、これらのホルモンは急激に減少し、乳腺が小さくなりバストサイズが元に戻ります。

産後バストの移り変わり

産後バストの移り変わり

妊娠中~後期

バストは真上ではなく、脇から下部に大きく膨らみます。妊娠する前と同じブラジャーのサイズでは、バストの脂肪がはみ出してしまいます。

出産直後

出産して2~4日後が乳腺発達のピークです。バスト周辺の血流量が増えるため、バストが張って硬くなる傾向があります。

産後1ヶ月~

バストが大きくなるだけでなく、より重くなります。これは乳腺が発達して母乳が蓄えられるようになるからです。授乳の前後でバストの大きさに差が出ます。

産後3ヶ月~6ヶ月

バストは妊娠前の状態に戻り始め、下垂やたるみが気になるようになります。授乳回数が減るとともに乳腺が減少し、バスト全体のボリュームが落ちます。しかし、乳腺はまだ活動しているため、バストサイズは変動しやすく、不安定な状態です。

卒乳

妊娠や出産で、いったん伸びてしまったバストの皮膚は縮むことがありません。そのため、伸びたバストの皮膚がたるみを生み、バストがしぼんだように見えます。

バストが垂れたりしぼんだりする理由

バストが垂れたりしぼんだりする理由
卒乳後の変化で最も気になるのが「バストの形崩れ」でしょう。バストサイズは元に戻っても、垂れたりハリがなくなったりという「形の変化」が起こります。

卒乳後、サイズダウンしたバストは、妊娠前の状態には戻りませんか?
卒乳から1年半~2年かけて元の状態に近づきますが、完全に戻すのは難しいかもしれません。
バストが垂れる理由

バストの内側には「クーパー靭帯」という組織があります。クーパー靭帯は、バストを支えるバンドのような役割を果たしています。

妊娠や出産の影響で、このクーパー靭帯が弱まるとバストは垂れてしまいます。それにともない、バスト上部のボリュームも落ちて、デコルテがそげて見えてしまうのです。

ハリがなくなる理由

姿勢の悪さや加齢などから、血液やリンパ液の流れが滞ります。すると、バストに必要な栄養や酸素が十分に行き渡らず、皮膚の色がくすんだり、シミやシワが気になったりと、バストのハリが失われていきます。

左右の大きさが違ってしまう理由

片方のカップはピッタリ合っていても、もう片方が合わないというケースがあります。このような左右差は、生まれつきのものであることが多く、そこまで気にする必要はありません。

産後のバストを救うためのバストケア

産後のバストを救うためのバストケア
妊娠や出産によるバストの変化は、誰にでも起こるものです。それでも、普段のバストケア次第で、その変化のスピードを遅らせることができます。

では、どんなバストケアを心がけたら良いのでしょうか?

保湿ケアとマッサージ

バストを包む皮膚が乾燥すると、シワが目立ち一気に老けて見えます。そこで、保湿効果の高いクリームやオイルを使い、バストに潤いを与えましょう。

その際、バストから背中にかけて、マッサージするのがおすすめです。妊娠線の発生といった産後の肌トラブルも、こうした保湿ケアで改善するといわれています。

サイズの合ったブラジャーを着用すること

サイズの合わないブラジャーをつけていると、バストの位置が不安定になり、時間の流れとともに下垂が生じてしまいます。授乳するとき以外は、できるだけブラジャーを着用し、バストの位置を安定させるのがポイントです。

産後バストを守るためのブラジャーの選び方

産後バストを守るためのブラジャーの選び方
「産後、カップ付きインナーを着用していたら、バストが垂れ気味になってしまった」
「妊娠や出産に対応できる下着にすれば良かった」
「授乳でバストを出し入れするたびに、ブラジャーがずれて直すのが面倒だった」
「授乳中、ワイヤー入りの通常のブラジャーを使っていたら、母乳が出にくくなってしまった」

このような実感を持つ産後の女性が多いようです。

では、バストを守るためには、どのようなブラジャーが良いのでしょうか?

通常のブラジャーとマタニティブラジャーの違い

「マタニティブラジャー」は、出産前と産後のバストに対応したブラジャーの総称です。体に負担をかけない優しいホールド力で、冷え対策にも役立ちます。

マタニティブラジャーのかわりに、大きいサイズの通常のブラジャーを着用するのはダメですか?
着用できますが、マタニティブラジャーとは機能が違うため、おすすめできません。通常のブラジャーの役割は、バストラインをきれいに整えることです。そのため、補正力が強く、妊娠中や授乳中には向きません。そして、ワイヤーの締めつけが原因で母乳の出を悪くするケースもあります。
マタニティブラジャーの特徴
  • 伸縮性のある素材を使用している
  • バスト全体をすっぽり覆うカップで、乳腺の発育を妨げない
  • ワイヤーなしでもバストを支えられるよう、肩紐やバックが幅広く、頑丈に設計されている
  • ワイヤー入りの場合は、乳腺を圧迫しないソフトな材質が使われている

サイズの増減や、形状の変化が激しい産前産後のバストには、マタニティブラジャーがおすすめです。

産後専用の授乳ブラジャーがおすすめです

産後専用の授乳ブラジャーがおすすめです
マタニティブラジャーのなかには、簡単に授乳できるように工夫された「授乳ブラジャー」があります。

授乳ブラジャーとは?
授乳を楽にするためにつくられたブラジャーのことです。産後数ヶ月間は、ほぼ3時間おきに授乳が必要なだけでなく、慣れない育児で慌ただしい日々が続きます。そのようなとき授乳ブラジャーを着用していれば、フロント部分を開くだけでサッと授乳できてストレスになりません。
授乳ブラジャーの特徴
  • バストが出しやすい
  • 伸縮性があり、乳腺に負担をかけない
  • 段階調整できるホックがついている
  • 産後すぐに着用できる
  • 母乳が漏れにくい

通常のブラジャーと変わらないおしゃれな授乳ブラジャーが数多くあります。自分の好みに合わせて、デザインやカラーを選ぶと良いでしょう。

授乳ブラジャーの種類(形状)

授乳ブラジャーの形状は2タイプあります。

ハーフトップタイプ

タンクトップの上半分のような形状です。ホックやワイヤーはついていません。

トレッチ素材を使ったものが多く、アンダーの圧迫感がほとんどない、ゆったりとしたつけ心地です。体に優しいブラジャーなので、入院中や睡眠中に着用するのも良いでしょう。

ただ、肌着のようなブラジャーで、補正力はあまり期待できません。また、外すときは洋服を脱ぐ必要があります。

ブラタイプ

一般的なブラジャーの形状です。変化するバストに対応するため、数段階でサイズ調整できるホックが背中についています。

ワイヤーは入っているものと入っていないものがあります。

ノンワイヤーのタイプ

ゆったりとしたホールド力でバストを支えます。

ワイヤーがあるタイプ

やや締めつけ感がありますが、下垂や崩れを防ぐ効果が高くなります。

授乳ブラジャーの種類(バストの出し方)

授乳ブラジャーの種類(バストの出し方)
授乳ブラジャーには、フロント部分のデザインによって、さらに4つのタイプがあります。

クロスオープン

フロント部分でカップが交差したデザインです。授乳時にはカップを引き下げてバストを出します。ブラジャーを脱ぎ着せず、片手で授乳できます。

フロントオープン

フロント中央のスナップで開閉するデザインです。バストが完全に出せるので、母乳を吸う赤ちゃんの邪魔になりません。

ストラップオープン

ストラップの前側にフックがあり、フックを外すとカップが開くデザインです。アンダーがずれにくく、安定した状態で授乳できます。素材によっては、母乳パッドが外れやすいため注意が必要です。

ウィンドウオープン

ストラップオープンがさらに進化し、カップが2重構造になったデザインです。外側のカップを外すと、内側のカップが窓枠のような形をしており、その窓枠部分から授乳します。

バストのステージに合わせて選びましょう

下着売り場へ行くと、普段使いできる可愛いマタニティブラジャーが数多くあります。どのマタニティブラジャーを購入すれば良いのか、迷う方も多いでしょう。

そのようなときは「産後の月数」がブラジャー選びの目安になります!

そこでここからは、どんな時期にどのブラジャーが良いのかご紹介します。自分に合ったブラジャーを探して、健康的なボディラインを目指しましょう。

産褥期(さんじょくき)~授乳期のバスト

産褥期(さんじょくき)~授乳期のバスト
出産を終えると、産褥期(6~8週間)が始まります。出産のダメージから体が回復していないので、締めつけの少ないノンワイヤーのブラジャーが良いでしょう。

おすすめのブラジャー
  • ハーフトップタイプ
  • クロスオープン
  • フロントオープン

授乳回数が多い時期は、着脱しやすくリラックスできるブラジャーを選びましょう。産院で母乳サポートを受ける場合には、前が全開になるフロントオープンが便利です。

産後6ヶ月頃のバスト

産褥期(さんじょくき)~授乳期のバスト
赤ちゃんの離乳食が始まる時期です。授乳回数が減るにつれ、バストのボリュームも減ってきます。

おすすめのブラジャー
  • ブラタイプ
  • ストラップオープン
  • ウィンドウオープン

動きやすいように、バストの位置が安定するソフトワイヤーを使ったブラタイプにしても良いでしょう。授乳回数が多い方は、外出先でもスムーズに授乳できるようにストラップオープンやウィンドウオープンがおすすめです。

卒乳後のバスト

卒乳後のバスト
赤ちゃんの食事は母乳から食べ物がメインになり、徐々に母乳が出にくくなります。個人差があるものの、通常のブラジャーに戻すタイミングです。

おすすめのブラジャー
  • フルカップブラジャー

フルカップブラジャーとは、バスト全体を包み込むタイプのブラジャーです。バストを覆うカップの面積が広く、バストの位置を安定させ動きやすいので、柔らかくなった産後のバストにおすすめです。

締めつけ感が気になる方は、ノンワイヤーのフルカップブラジャーもあります。

産後用ブラジャーについて知っておきたいQ&A

産後用ブラジャーについて知っておきたいQ&A
卒乳後、すぐに通常のブラジャーに切り替えると、敏感になった乳首が圧迫され、乳腺炎などを起こす可能性があります。肌触りの優しいマタニティブラジャーや授乳ブラジャーを産後しばらく着用しても良いでしょう。

授乳ブラジャーは、いつまで使うものですか?
とくに決まりはなく、母乳が止まるまで授乳ブラジャーを使っても良いでしょう。また、マタニティブラジャーや授乳ブラジャーは、体の動きに無理なくフィットするような設計です。体調不良のときにも使いやすく、入院や診察などでも重宝します。非常時の下着として、備えておくと安心です。
マタニティブラジャー・授乳ブラジャー選びのポイント

次のポイントを確認しておきましょう。

苦しいところがない
「ワイヤーが肋骨にあたる」「食いこむ」などがあるなら、ひとつ大きいサイズにしてください。
カップ内にバストがおさまる
身長や肉質によってもバストの形が変わります。脇の下の脂肪までカップに入るか確認しましょう。
肌に刺激がない
産後は、ホルモンバランスが崩れて肌が敏感になります。吸湿性や通気性のある綿やシルクなど、天然素材のブラジャーがおすすめです。
サイズ選びにも注意が必要

サイズ選びにも注意が必要
マタニティブラジャーを購入する方は、締めつけの少ない、ゆったりとしたサイズを好む傾向があります。

実際、ハーフトップなどのサイズ展開は「S」「M」「L」など、融通性のあるものがほとんどです。サイズの見当がつきやすいため、インターネットや通販などで試着せずに購入するときは良いかもしれません。

なお、通常のブラジャーと同じサイズ表記のマタニティブラジャーもあります。その際、カップは妊娠前の1〜2カップ上、アンダーサイズは5cm上のものを選ぶというのが一般的です。

また、ブラジャーのサイズは、体重の増減や季節によっても変わります。購入前は、必ずブラジャーのサイズを測りなおし、その都度試着するようにしましょう。

まとめ

1.産後のバスト変化は、乳腺が委縮し、クーパー靭帯が伸び切ってしまうことから起こる
2.産後のバストケアには、保湿&マッサージと体に合ったブラジャー選びが大切
3.マタニティブラジャーは、産後のバスト変化に対応するサポート機能がある
4.授乳ブラジャーは、補正効果にくわえて授乳しやすいデザインになっている
5.マタニティブラジャーや授乳ブラジャーは、妊娠の月数や授乳回数などを考えて購入する

妊娠、出産、産後と、女性の体は大きく変化します。その際、通常のブラジャーではサイズが合わなくなるため、マタニティブラジャーや授乳ブラジャーに切り替えるのがおすすめです。

授乳のしやすさはもちろんですが、体型崩れなどの悩みも解決してくれます。

 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール