バストアップに関係するコラーゲンの上手な摂り方とは?
バストの悩みQ&A

バストアップに関係するコラーゲンの上手な摂り方とは?

(2020.03.11 追記)
化粧品や健康食品でお馴染みのコラーゲンは、体をつくる重要なタンパク質です。そしてバストアップにも関係しています。

コラーゲンには、バストを支える組織や血管を強くしてハリや弾力を保つ働きがあります。ここでは、バストアップの視点からコラーゲンの働きについて考え、コラーゲンを多く含む食品や上手な摂取方法をご紹介します。

バストに存在するコラーゲン

コラーゲンという言葉を聞くとドリンクやサプリメントなど食品をイメージしますが、実は私たちの体の中にも存在しています。

例えば…

  • 皮膚
  • アキレス腱
  • 心臓
  • 肝臓
  • 腎臓

などです。とくに、バストにあるクーパー靭帯のコラーゲンはバストを支える重要な役割を果たしています。

クーパー靭帯とは…?

クーパー靭帯とは…?
コラーゲンが束となった線維組織です。

バストの中は、クーパー靭帯が網目のように空間を埋め、そこに乳腺や脂肪がはりついてできています。つまり、クーパー靭帯のコラーゲンがバストの組織と組織をつなぎ、丸みのある美しい形をつくり出しているのです。

バストの構造とその働き
  • 乳腺(母乳をつくり分泌する、ブドウの房のようにバストの中にある)
  • 脂肪(乳腺を守るためのクッションとしての働きがある)
  • クーパー靭帯(乳腺を筋肉や皮膚とつなぐ、主成分はコラーゲン)
  • 乳頭(母乳が分泌する部位)
  • 大胸筋(胸部にある大きな筋肉、バストの土台となる)

コラーゲンの減少から起こるバストダウン

コラーゲンの減少から起こるバストダウン
コラーゲンは、バスト以外に体のさまざまなパーツに存在し、体全体の枠組みをつくっています。

しかし、加齢とともにコラーゲンを生み出す新陳代謝が低下していきます。

体の中のコラーゲン量は、20歳をピークに徐々に減少しはじめます。

  • 40代ではピーク時の50%
  • 60代ではピーク時の75%

まで減少するといわれています。

そして、このコラーゲンの減少がバストダウンにも大きく関係しているのです。

コラーゲンの減少から考えるバストダウンのメカニズム

コラーゲンが減少すると、どのようにバストへ影響するのか、その仕組みをこれから説明しましょう。

  • クーパー靭帯が弱くなる→バストが支えられない→バストが垂れる
  • 筋肉や関節が衰える→体のバランスが崩れる、姿勢が悪くなる→猫背、体の歪み、胸が閉じた状態になる
  • 血管が弱くなる→血行不良になりやすくなる→冷え症、バストまで新鮮な酸素や栄養が行き渡らない
  • 皮膚の水分量が減る→バストの皮膚のハリや弾力を失う

そもそもコラーゲンとは?

そもそもコラーゲンとは?
私たちの体は数十兆個の細胞からできているといわれます。そして、この細胞と細胞の間に存在しているものがタンパク質であるコラーゲンです。

コラーゲンは細胞間物質の主成分です。とくに、「皮膚」「軟骨」「腱」「血管」にはたくさんのコラーゲンが存在しています。

つまり、コラーゲンは細胞と細胞をつなぎ、体を支える人にとって欠かせない成分なのです。では、コラーゲンにはどのような特徴があるのでしょうか?

日本語では、コラーゲンを「膠原質(こうげんしつ)」といいます。膠原とは、「にかわのもと」という意味があります。

ただ、「膠」という漢字は難しいため、「コラーゲン」という呼び名が広がりました。コラーゲンそのものは、栄養価が低く無味無臭です。

また、水に溶けにくく熱によって形が変わりやすいという特徴があります。たとえば、骨や皮つきの肉に熱を加えて料理をするとコラーゲンが変形し分解され溶け出します。

これがゼリーの材料としてお馴染みの「ゼラチン」です。

コラーゲンの種類と構造

コラーゲンと一言でいってもさまざまな種類や構造があり、すべてが解明できているわけではありません。

現在わかっているのは、遺伝子配列の分析結果から「体の中に29種類のコラーゲンがある」ということです。

そして、発見された順番に

  • Ⅰ型コラーゲン(皮膚、骨、腱などの組織)
  • Ⅱ型コラーゲン(軟骨)
  • Ⅲ型コラーゲン(皮膚、動脈壁)
  • Ⅳ型コラーゲン(基底膜)
  • Ⅴ型コラーゲン(角膜)

と名付けられています。

なお、コラーゲンは、他のタンパク質とは異なる「三重らせん構造」という形をしています。具体的には、約1000個のアミノ酸がつながって1本の鎖をつくり、それが3本まとまって、ねじれるように三重らせん構造をつくっています。

このバネの構造のおかげで、伸縮性や弾力を保つことができるのです。コラーゲンには体内で消化されにくいという性質があります。

健康維持に欠かせないコラーゲン

健康維持に欠かせないコラーゲン
皮膚の約70%はコラーゲンでできています。なので、代謝(古いものを分解し新しいものをつくり出すこと)が繰り返されることで皮膚が生まれ変わっていきます。

もしコラーゲンが不足すれば、この代謝機能が低下し、水分や皮脂のバランスが崩れ、老化が進んでしまいます。つまり、コラーゲンは皮膚の健康にも欠かせないのです。健康を維持するコラーゲンの働きは、他にもあります。

骨や関節を丈夫にする

骨の内部にあるコラーゲンにカルシウムが定着することで、骨は丈夫になります。
また、関節をスムーズに動かすための潤滑油としての役割もあります。
骨粗鬆症や関節炎予防にもコラーゲンが力を発揮します。

目の健康維持

目の水晶体や角膜にコラーゲンが存在しています。
目の疲れ、老眼、ドライアイなど目が気になる方にもコラーゲンは役立つといえます。

血管に弾力を与える

コラーゲンは、血管をつくる成分です。
ケガなど出血を起こしたとき、コラーゲンが血液中の血小板と反応して、出血を早く止めることができます。

コラーゲンにダメージを与える要因

コラーゲンにダメージを与える要因は、大きく分けると「糖化」と「酸化」の2つがあります。これらは加齢に関係があります。

糖化とは?

糖がタンパク質や脂質などに結びついてしまうことです。
例えるなら、「クッキーを焼きすぎて茶色くこがす」というような変化です。
コラーゲンは代謝を繰り返していますが、コラーゲンが生まれてから分解されるまで10~20年かかります。
この間、食事として摂られた糖とコラーゲンが結びついてしまうのです。
糖化したコラーゲンは、三重らせん構造が壊れ、バネのような働きが弱まってしまいます。

酸化とは?

何かしらの物質が酸素と結びついてしまうことです。
例えるなら、「鉄が劣化してサビる」というような変化です。
私たちは、呼吸で取り入れた酸素を使ってエネルギーを生み出していますが、その一方で使われなかった酸素は強い酸化作用のある活性酸素に変わり、体にさまざまなダメージを与えるのです。
その他にも酸化は、「紫外線」「ストレス」などによっても起こります。

コラーゲンを生み出すためのライフスタイル

コラーゲンを生み出すためのライフスタイル
バストアップのためには、糖化や酸化を食い止めてコラーゲンを生み出すことが大切です。

糖化対策方法

食生活を改善しましょう。主食であるごはん、パン、麺などには糖質が多く含まれています。
食べ過ぎれば、当然のことながら血液中の糖が増え、コラーゲンを糖化させてしまいます。
良く噛んでゆっくり食べ、食べ過ぎないようにしましょう。
さらに、食べる順番にも注意してください。
「ごはんの前にサラダを食べる」など食物繊維を先に食べると、糖の急上昇を抑えることができます。

酸化対策方法

紫外線に注意しましょう。紫外線を浴びると、「シミ」「シワ」「たるみ」「くすみ」ができやすくなり、バストにも悪影響があります。

  • 長袖を着る
  • 帽子をかぶる
  • 日傘を使う
  • 紫外線止めをつける など

スキンケアに心掛け、皮膚を日頃から守るようにしましょう。

いずれにせよ、糖化や酸化対策には規則正しい生活が大切です。

  • バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • ストレス解消
  • 適度な運動 など

ライフスタイルにも気をつけましょう。

コラーゲンの上手な摂り方

糖化対策や酸化対策ができても、残念ながらコラーゲンは加齢とともに減少してしまいます。そして、バストの中にあるクーパー靭帯も次第に細く弱くなります。

バストアップのためにコラーゲンをしっかり補いましょう。まず、知っておくべきことはコラーゲンを含む食品です。

また、コラーゲンを多く含むゼラチンを使って、ゼリーやババロアなどおやつを手作りするのもオススメです。

コラーゲンを多く含む食品

コラーゲンを多く含む食品

魚介類
  • アジ
  • イワシ
  • ヒラメ
  • カレイ
  • サケ
  • タイ
  • ブリ
  • アナゴ
  • アサリ
  • エビ
  • イカ
  • タコ
  • フカヒレ など
肉類
  • 牛すね肉
  • 牛タン
  • スペアリブ
  • 鶏骨つき肉
  • 鶏手羽先
  • 砂肝
  • 軟骨
  • 豚のひき肉
  • 豚足
  • レバー類

ただし、どんな食品も食べ過ぎは禁物です。とくに、コラーゲンが含まれる食品は、動物性のものが多く脂質も多い傾向にあるため、栄養バランスを考えるようにしてください。

バストアップに役立つ!コラーゲンにプラスしたい栄養素

バストアップに役立つ!コラーゲンにプラスしたい栄養素
スーパーやドラッグストアでは、ドリンクやサプリなどコラーゲン配合の健康食品が売られています。そして、ほとんどの方はこれらの食品を食べるとそのまま体のコラーゲンになると信じているでしょう。

ところが、コラーゲンは体の中に入ると胃や小腸にある酵素で分解されアミノ酸に変わります。その後、小腸の毛細血管から入り、血液の流れとともに体の各部分へ運ばれていくのです。

要するに食べたコラーゲンが、そのまま体のコラーゲンになるわけでは残念ながらありません。ただし、コラーゲンは体の中で分解された後、それをもとに再び新しいコラーゲンに生まれ変わります。

しかし、このとき必要となるのが

  • ビタミンC
  • タンパク質

などの栄養素です。各栄養素には、それぞれの悩みや症状をやわらげる作用があります。

  • 血行が悪いタイプは「カリウム」「銅」
  • 皮膚にハリや弾力がないタイプは「ビタミンC」「ビタミンE」
  • イライラしやすいタイプには「マグネシウム」

などが良いといわれています。

つまり、コラーゲンを含む食品を食べるだけではなく、各栄養素の知識とコラーゲンと栄養素の組み合わせまで頭に入れておくことが大切です!

そして、関節を強くして体の歪みを整えたり、血管を強くして冷え症対策したり、シミやシワにアプローチして美乳を目指すことも可能になります。

カリウム

カリウムは、細胞を正常に活動させる重要な役割を担っています。細胞内にあるカリウムは、主に細胞外に多いナトリウムとバランスをとりながら細胞の浸透圧や水分の維持を行っています。

その他、カリウムには筋肉の収縮をスムーズにする働きがあります。

カリウムが含まれる食品
  • 藻類
  • 果実類
  • 野菜類
  • 豆類
  • 肉類
  • 魚介類

など、幅広い食品に含まれています。普通の食事をしていれば、カリウム不足になることはありません。

マグネシウム

マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯をつくる栄養素です。そして体の中に300種類以上ある酵素の働きを助けています。

マグネシウムを含む食品
  • ナッツ類
  • 魚介類
  • 海藻類
  • 野菜類
  • 豆類

などですが、大量にマグネシウムを含んでいる食品はありません。

ストレスやアルコールによってもマグネシウムは不足します。マグネシウム不足が気になる方は、主食を「白米」から「胚芽米」「玄米」「全粒粉のパン」に切り替えると良いでしょう。

その他、豆腐に含まれる「にがり」にもマグネシウムが含まれています。

銅は、コラーゲンやメラニン色素を生成し、骨や血管を強化したり、髪や皮膚の色を保つ働きがあります。その他、血液中にあるヘモグロビンの合成を助けたり鉄の吸収を良くしたりと貧血予防にも欠かせない栄養素です。

銅を多く含む食品
  • 魚介類
  • レバー類
  • ナッツ類
  • 豆類

などで、あまり不足する心配はありません。

効率良く摂取したい方にはココアがオススメです。ココアには、ミネラルが豊富で体の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。

鉄
鉄は、ヘモグロビンの成分で、全身へ酸素を運ぶ役割を果たしています。不足すると酸欠になり、疲労感や集中力の低下、息切れや貧血といった症状があらわれます。

女性は、月経による出血、妊娠や授乳によっても鉄が失われやすくなるため不足しやすい栄養素です。

鉄を多く含む食品
  • レバー類
  • 魚介類
  • 海藻類
  • 野菜類
  • きのこ類
  • 大豆製品

などで、鉄の吸収を高める「ビタミンC」「タンパク質」も一緒に摂ることがオススメです。

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、血管、皮膚、筋肉、粘膜、骨を強化する働きがあります。そのほかにも、風邪からガンの予防まで、健康維持にさまざまな効果を発揮します。

ビタミンCを多く含む食品
  • 果実類
  • 野菜類
  • イモ類

などに多く含まれています。

しかし、水に溶けやすく熱に弱いため調理すると栄養素が失われてしまいます。煮るより炒める、または温野菜にするなど手早く調理して、旬の野菜や果物を食べるようにしましょう。

ビタミンE

ビタミンE
ビタミンEには、強い抗酸力があるため体のサビつきを防ぐ効果があり、美肌や美乳を目指す女性には嬉しい栄養素です。具体的には、大気汚染や紫外線から肌を守ったり、老化を防いだりしてくれます。

また、血管を広げ、血流をスムーズにすることから冷え症の改善や生活習慣の予防にも役立ちます。

ビタミンEを含む食品
  • アーモンドやピーナッツなどのナッツ類
  • モロヘイヤ
  • 赤ピーマン

などの色の濃い野菜類に多く含まれています。

また、「ビタミンC」と一緒に摂ると吸収を高めることができます。

ビタミンB12

ビタミンB群は、体の中の酵素と協力して体の調子を整えるという働きがあります。その中でもビタミンB12には、血液をつくる作用、アミノ酸や脂質の代謝、神経を正常に保つ効果などの重要な役割を果たしています。

ビタミンB12を含む食品
  • レバー類
  • 魚介類
  • 肉類
  • 乳製品

などがあり、動物性食品に多く含まれています。

偏った食事や不規則な生活をしない限りビタミンB12不足にはなりませんが、「口内炎ができやすい方」「ダイエット中の方」には、注目してほしい栄養素です。

レシチン

レシチン
レシチンは、脂質の一種で、細胞膜や神経組織をつくる成分です。アミノ酸や脂質の代謝を促し、肥満や動脈硬化の予防に役立ちます。

その他、レシチンは神経伝達物質の合成に関わっており、記憶力や集中力を高める働きがあります。物忘れが気になる方、肥満気味の方にも良いでしょう。

レシチンを含む食品
  • 卵黄
  • 大豆製品
  • ウニ
  • ウナギ

などですが、、これらの食品はコレステロールが多いため、大豆製品からの摂取が理想的です。

DHA

DHAは、青魚によく含まれている栄養素です。魚の脂肪は、冷たい海でも生きていけるように低温でも液体を保つという特徴があります。その特徴が人にも効果を発揮してくれます。

そのため、血液をサラサラにして中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果があります。具体的には、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、慢性皮膚炎などを予防するといわれています。

DHAを含む食品
  • イワシ
  • サバ
  • アジ
  • サンマ
  • マグロ
  • カツオ

などの青魚に多い栄養素です。

健康維持のためにも、青魚を食べるようにしましょう。

まとめ

1.バストにあるクーパー靭帯はコラーゲンが束となった線維組織で、バストを支える働きをしています
2.もともとコラーゲンは、細胞と細胞をつなぎ、体を支える、人にとって欠かせない成分です
3.コラーゲンが減少すると、クーパー靭帯が弱くなる、ハリや弾力を失う、血行不良になるなどバストダウンにつながる要因が増えます
4.バストアップをするには、コラーゲンを含む食品を食べ、「糖化」と「酸化」を防ぐことが大切です
5.コラーゲンを効率良く吸収するために、栄養素の知識、コラーゲンと栄養素の組み合わせまで頭に入れておきましょう

加齢から起こるコラーゲンの減少とバストダウンは、誰も避けることができません。

そこで、日頃からコラーゲンを含む食品を食べ、そのコラーゲンの吸収力がアップする栄養素も一緒に摂ると良いでしょう。

 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール