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- 激しい運動
- 間違ったマッサージ
- ブラジャーをしない生活
- サイズがあわないブラジャー
胸が垂れるのをどう防ぐ?クーパー靭帯ってどんなもの?
アラサー女性の7割以上はバストのシルエットに変化を感じてきているといいます。しかし、バストの構造やケア方法については知らない女性が多いようです。
インターネットや雑誌でバストについて調べると「クーパー靭帯が切れると胸が垂れる」と書かれています。ただ、その情報だけではよく理解できません。
「どこにクーパー靱帯が存在するのか?」
「切れるとき痛みを感じるのか?」
クーパー靭帯とは、どのようなものなのか詳しくみていきましょう。
バストを支える命綱「クーパー靭帯」の正体
クーパー靭帯は、バストを支えるために存在しています。
バストの断面図を確認すると、バストの土台である大胸筋から表皮に向けてごく細い繊維があります。これがクーパー靭帯です。
そして、バストにはクーパー靱帯の他に「脂肪組織」や「乳腺組織」があります。この脂肪はバストのおよそ9割を占めており、想像以上に重みがあります。
重さに加え、バストは重力に逆らって盛り上がった形をしています。そのため、バストの形をキープできているのは、クーパー靱帯のおかげということです。
バストの構造を知ってクーパー靭帯がどこにあるのか説明します。
まず、肋骨を覆っている「大胸筋」という大きな筋肉があります。この大胸筋はバストの土台となり、その上に「乳腺組織」や「脂肪組織」があります。
クーパー靭帯は、その乳腺組織や脂肪組織とつながり、網の目のようにバスト全体に広がっています。そして、その重みを立ち上げるように大胸筋と繋がっています。
乳腺組織は、母乳を作る大切な役割があって片胸に15~20個ほどあると言われています。その、乳腺組織を守るように脂肪組織があり、それらをまとめているのがクーパー靱帯です。
また、クーパー靱帯が乳腺組織や脂肪組織の間を仕切ることで、脂肪組織が脇へ流れるのを防いでいます。
インターネットや雑誌などでは「クーパー靱帯が切れる」と書かれていますが、実際はゴム紐に穴が開くようなイメージです。
もともとクーパー靱帯は網のような形状です。網の目が引き伸ばされ、穴が開き、その穴がだんだんと大きくなるようなものです。
なお、クーパー靱帯は若干伸び縮みしますが、あまり伸縮性がありません。無理に伸ばすと、伸び切ってしまいます。
バストアップサプリは、女性らしさを求めて栄養面からアプローチをするものです。大豆イソフラボン、ワイルドヤム、エラスチンなどの成分が配合されています。
ただ、バストアップサプリを摂取したところで直接的にクーパー靱帯に作用するわけではありません。
できれば「コラーゲン」を摂取するほうがクーパー靱帯の強化につながる可能性があります。
クーパー靭帯の主成分はコラーゲンやエラスチンですが、これらの成分は加齢により減ってしまうことがあります。減った成分を食事やサプリメントから補えば、クーパー靱帯の強化に役立つかもしれません。
肘や膝の靭帯には「再建手術」というものがあります。
ただ、肘や膝などの関節の動きを安定させるための靭帯は、強くて太いコラーゲン結合組織ですが、クーパー靭帯は細い結合組織です。しかも、クーパー靱帯は脂肪組織や乳腺組織も一緒になっているため再建手術が難しいのです。
豊胸手術は、垂れてしまったバストをリフトアップする外科手術です。具体的には、乳輪のまわりの皮膚を切除し乳腺組織を吊り上げる、乳房挙上術などがあります。
クーパー靭帯は切れても自覚症状がないので、状態を把握するために次のポイントをチェックしてみましょう。
バストは、脇のすぐ下からふくらみが始まっています。ふくらみの始まりが、脇から離れた場所にあるときはダメージが進行している可能性があります。
バージスラインは、下乳と体の境目部分のことです。クーパー靭帯が伸び切っていると、バージスラインが判別しにくくなります。また、ブラジャーのワイヤー痕が残る場合もあります。
「いつものブラジャーがあわなくなってきた」と思ったら要注意です。ブラジャーがあわない理由は、バージスラインが変化したためです。クーパー靭帯が伸びたり切れたりしている可能性があります。
その他にも、「肩紐が頻繁に落ちるようになった」「バストとカップの間に隙間がある」などの場合も要注意です。
クーパー靭帯を損なう7つの原因と予防策
胸の垂れ予防をするためには、クーパー靭帯にどんなストレスがかかっているのかについて具体的な原因をみていきましょう。
加齢による胸の垂れは、完全に避けられません。それでも、クーパー靱帯が劣化するスピードを遅らせることができれば、胸の垂れの予防に役立ちます。
少しでも若々しいバストをキープするために、これらの原因を意識して生活しましょう。クーパー靱帯へのストレスを減らせば、より健康的なバストに近づくはずです。
加齢による衰え
年齢を重ねると体内でのコラーゲン生成能力が低下し、クーパー靭帯が細くなり胸が垂れる原因になります。さらに、加齢とともに筋力も衰えていきます。
当然、バストの土台となる大胸筋も衰え、クーパー靭帯の負担がますます大きくなるのです。
きちんとブラジャーを使用しましょう。ブラジャーを使用すると、バストの重みや揺れをカバーして、クーパー靭帯にかかる負担を減らしてくれます。
また、クーパー靭帯を維持しているコラーゲンやエラスチンはタンパク質の一種です。食事は、肉や魚、大豆製品などタンパク質が豊富な食品を積極的に食べましょう。
コラーゲンやエラスチンを手軽に摂取したい方は、健康食品やサプリメントなどもおすすめです。
胸の急激な変化
妊娠中や授乳中はバストサイズが平均1~2カップもアップするといわれています。また、授乳期には赤ちゃんが飲む前後で胸の張り具合が頻繁に変化するため、クーパー靭帯に過度な負担がかかり、胸が垂れる原因となるようです。
妊娠中や授乳中も、できるだけクーパー靱帯に負担がかからないように予防を徹底しましょう。
マタニティブラを使用しましょう。
また、授乳するときは赤ちゃんを胸の高さまで抱きあげるようにしましょう。赤ちゃんの位置が悪いと、乳首が赤ちゃんに引っ張られ、クーパー靭帯が伸びてしまいます。
日常の姿勢
バストは、クーパー靭帯だけでなく大胸筋からも支えられています。猫背の姿勢が続くと、次第に大胸筋が衰えてしまい、その分クーパー靭帯に負担をかけるのです。
さらに、猫背でいると肩甲骨の周囲の筋肉が固まってしまい、血行不良にもつながります。これでは、バストに必要な酸素や栄養が届きにくくなります。また、血行不良もクーパー靱帯が衰える原因です。
日常生活で、できるだけ背筋を伸ばすように意識してください。座っているときはなるべく背もたれを使わず、腰で支えるように心がけましょう。
ストレッチやヨガなどの運動で、姿勢を整えるのもおすすめです。腕立て伏せや合掌ポーズなど、大胸筋を鍛えるエクササイズも猫背対策になります。
運動による揺れ
ジョギングや縄跳びなどでクーパー靱帯は切れやすくなります。走ったり飛び跳ねたりする激しい運動は、バストに悪影響なのです。
例えば、ジョギングをすると平均で9cmほどバストが上下に揺れるといいます。もちろん、軽く走っただけですぐに切れてしまうというほど弱くはありませんが、定期的にジムに通ったり毎日ランニングをしたりする方は注意しましょう。
運動するときは、スポーツブラを使用しましょう。
スポーツブラには、ウォーキング用やヨガ用などさまざまなタイプがあります。目的にあわせて選ぶと良いでしょう。
間違ったマッサージ
強く揉むような過度のマッサージは、クーパー靭帯が切れたり伸びたりする原因です。恋人とのスキンシップでも、クーパー靭帯を傷めないよう注意しましょう。
マッサージは「優しく」「ゆっくり」が基本です。クーパー靱帯の組織は筋肉や血管と比べて血流量が少なく、新陳代謝が遅いという弱点があります。
そのため、マッサージで血流量を増やすと、バストに必要な酸素や栄養が行き届きやすくなります。また、手の温もりがバスト全体に伝わり、心も体もリラックスできます。
バストが乾燥する場合は、低刺激の植物オイルを使用すると良いでしょう。バストにハリやツヤが出て、マッサージの滑りもスムーズになります。
ノーブラは最大の敵
バストはほとんどが脂肪組織でできており、それなりに重さがあります。ノーブラでいると、そのバストの重みからクーパー靱帯が伸びやすくなったり切れやすくなったりして、バストがどんどんたるんでいくのです。
ブラジャーの締め付けが苦手という方は、きちんとサイズを計測しましょう。体型にフィットしたブラジャーなら、締め付け具合もちょうど良くなります。
大多数の日本人は胴が平たい体型です。そのため、アンダーサイズとカップ数だけでブラジャーを選ぶと、実際のサイズより小さいブラジャーを選んでしまうのです。
胴が平たい体型の人は、アンダーサイズを1つ上げ、カップ数を1つ下げてみましょう。
サイズのあわないブラ
サイズがあわないブラジャーを付けてしまうと、バストトップの位置が下がり、ボリュームダウンしたように見えてしまいます。
定期的に、バストのサイズチェックをしましょう。体調によっても、体形やバージスラインはどんどん変わります。ブラジャーを購入する際には、きちんと試着するのがベストです!
寝ている間でも動きがあるため、重力によってバストはダメージを受けています。
起きている間のバストと寝ている間のバストでは、重力を受ける方向が異なりますので、寝ている間に受ける重力の方向に合わせて、バストを守るのが肝心です。
- 仰向けで寝た場合、バストは左右に揺れてしまいます。
- 横向きで寝た場合、バストはは片側に流れて、垂れさがった状態になります。
このように、寝ている間、バストの位置は一定方向ではありません。寝返りを打つたび、重力を受ける方向が変わります。
ナイトブラを使ってみましょう。ナイトブラは寝ている間、バストを安定した位置にしてくるれて、クーパー靭帯の負担を減らす効果が期待できます。
まとめ
クーパー靭帯を傷める主な原因は、加齢、妊娠や授乳、姿勢の悪さ、激しい運動などです。それらの原因を取り除くためには、自分に合ったブラジャーを使用しましょう。
寝るときにはナイトブラ、運動するときはスポーツブラなど、状況に合わせてブラジャーを使い分けることも大切です。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |