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亜鉛がバストアップに効果があるといわれるのはなぜ?
目次
バストアップに必要な女性ホルモンの分泌などを促すからです
何となく「ミネラルは美容や健康に良さそう」というイメージを持っていませんか?それは、ミネラルが体の機能の維持・調節を行う重要な栄養素だからかもしれません。
過不足なくミネラルを摂取することが、健やかで美しい体を保つためには必要不可欠なのです。そして、人体に必要とされる、16種類の必須ミネラルの1つである亜鉛は、バストアップにも関係があります。
乳房の約10%を占める乳腺は、女性ホルモンの分泌量が増えることによって増殖します。また、乳房が垂れないように支えるクーパー靭帯や、バストの土台となる大胸筋などの筋肉を作るのにもタンパク質が欠かせません。
亜鉛は女性ホルモンの分泌のほか、タンパク質とDNAの合成にも関与するので、適切に亜鉛を摂取することがバストアップに繋がるというわけです。亜鉛は、
などに関わる多くの酵素に必要な成分で、様々な働きをサポートしますが、体内で作りだすことができません。
欠乏すると体の不調や病気を引き起こす可能性があるので、亜鉛不足に陥らないように、亜鉛を多く含む魚介類や肉類、海藻類などの摂取を心掛けましょう。
亜鉛は微量でも健康維持に重要な役割を担います
私たちの体に必要な亜鉛の量はごくわずかですが、多くの酵素を作る成分となり、様々な酵素反応の活性化に関与します。亜鉛には以下のような働きがあります。
亜鉛は舌にある「味蕾(みらい)」の細胞を短期間で生まれ変わらせ、味覚を正常に保つ材料となっています。また、皮膚や毛髪の新陳代謝を活発にするので、肌のハリや毛髪の成長にも重要です。
それから、コラーゲンの生成や傷んだ細胞の再生を促進し、腱や靭帯などの怪我の回復を早めます。
女性ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスを整えるので、卵子の発育や妊娠の継続、月経周期にも関係します。また、前立腺や精子に多く存在し、男性ホルモンであるテストステロンの合成を助ける作用もあるといわれています。
「免疫細胞を活性化」させ、活性酸素を除去する「酵素の働きを助け」ます。そして、体内の「ビタミンAの代謝」や「抗酸化作用の活性化」を促すので、アンチエイジングや生活習慣病の予防にも効果が期待できるといわれています。
また、粘膜の健康を保つ「ビタミンAを体内に留める働き」もあるので、のどの痛みや鼻水、鼻づまりなど風邪の症状の緩和にも役に立つことがあります。
亜鉛は「神経細胞間の刺激伝達物質の合成」を行うので、脳の機能を高めて、精神を安定させるために必要な成分です。神経細胞の伝達がスムーズに行われなくなると、感情のコントロールができなくなったり、記憶力が低下したり、うつ病を招いたりする原因になるかもしれません。
亜鉛を多く含む食品を食べましょう
厚生労働省によると、推奨される亜鉛の摂取量は、日本人の成人男性で10mg、成人女性で8mgとされています。
- 蠣(かき)
- 牛もも肉
- 豚・鶏レバー
- うなぎ
- ホタテ貝
- カニ
- ナッツ類
- チーズ
- 卵
- 穀類
- 豆類 など…
食品から摂取した亜鉛は、小腸から吸収され肝臓に運ばれますが、70%は排出されてしまいます。
だから、亜鉛の吸収を促進する働きがある、クエン酸やビタミンCが含まれる食品を一緒に摂ることをおすすめします。クエン酸とビタミンCの両方を含むのがレモンです。
レモンが、亜鉛を多く含む代表的な食品の「牡蠣」料理に添えられているのは、味だけでなく、栄養面から考えても、良いといえるでしょう。また、クエン酸を多く含む酢や梅干し、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や果物も、一緒に摂る工夫をしてみましょう。
それから、肉類や魚類などの動物性タンパク質も吸収率を高めるので、バストアップのためにも良い組み合わせだと考えられます。亜鉛は水溶性なので、ゆでたりすると栄養が流れ出てしまいますが、スープや鍋物などを汁ごと食べるようにすると、亜鉛を摂取することができます。
植物性食品に多く含まれる「食物繊維」と、穀類や豆類に多い「フィチン酸」などは、亜鉛の吸収を妨げるといわれることもありますが、バランスの良い食事を心掛けましょう。栄養が十分に摂取できている場合は、それらは悪影響を及ぼさないともいわれています。
栄養が偏らないように、様々な食品と組み合わせて、バランスの良い献立を考えてみてください。
亜鉛不足は健康に悪影響を及ぼす恐れがあります
亜鉛が不足すると、以下のような事象が起こりえます。
味を感じる、というのは、前述の味蕾の中の味細胞から味覚神経を通して脳の味覚中枢に情報が送られることによります。味細胞が生まれ変わらないと、味がわからなくなったり、本来の味と違う味がしたりする可能性があります。
亜鉛はタンパク質の合成を行ったり、炎症を抑えたりする働きがあります。亜鉛が不足することによって、皮膚炎やかゆみなどの皮膚のトラブルが起こりやすくなります。
頭皮も皮膚と同様に健康な状態を保つことができなくなり、薄毛や脱毛を招きかねません。
タンパク質やDNAの合成がうまく行えなくなり、身長や体重などの発育に遅れが見られることがあります。また、亜鉛は成長ホルモンなどの産生や働きにも関係するので、成長ホルモンの分泌が低下することで、成長に悪影響を及ぼすことがあります。
食品添加物を多く含む加工食品やファストフードばかり偏って食べていると、亜鉛が欠乏する恐れがあります。
胃や腸などの消化管粘膜が委縮し、消化液の分泌減少や消化管運動の低下が起こり、食欲が低下します。食べる量が減ると、さらに亜鉛が不足し、悪循環を招く恐れがあります。
亜鉛が不足すると赤血球の数が減少し、貧血を起こしやすくなります。また、赤血球の膜が弱くなり、膜が破れて中のヘモグロビンが流出する「溶血」が起こり貧血になることもあります。
そのほか、下痢、骨粗しょう症、性腺機能不全、口内炎、創傷治癒遅延(傷が治りにくい)、易感染性(感染症にかかりやすい)なども亜鉛不足から起こることがあります。
亜鉛不足になる4つの原因
亜鉛が不足する要因には、
- 摂取不足
- 吸収不全
- 需要増大
- 排泄増加 など
が考えられます。また、年代によって特徴があります。
赤ちゃんの場合、母親の亜鉛不足によって母乳に含まれる亜鉛が不足すると、亜鉛欠乏症が発症しやすくなります。少食や偏食、過度のダイエットなどによって、摂取量が足りなくなる場合があるので、成長期の子どもや妊婦・授乳婦、高齢者は特に気をつけてください。
高齢者は消化吸収の力が弱くなるので、亜鉛の吸収不全が起きやすくなります。また、腸性肢端皮膚炎、肝疾患、糖尿病、慢性炎症性腸疾患などの病気によって、腸からの吸収がうまくいかない場合もあります。
早期産・低出生体重で生まれた赤ちゃんは体内の亜鉛貯蔵量が少ないので、体重が急激に増加する生後2~9か月には母乳に含まれる亜鉛の量では足りなくなることがあります。また、激しいスポーツを行う競技者は亜鉛の必要量が特に多くなるので、摂取量が十分でないと体に不調をきたす場合があります。
関節リウマチやパーキンソン病、うつ病、糖尿病などの治療には、亜鉛の排出が増える薬を用いる場合があり、長期間服用することで亜鉛が不足してしまうことがあります。また、透析を受けている人は、尿や透析液から亜鉛の排泄が増加し、亜鉛不足が起きやすくなる場合があります。
長く競技生活を続けているアスリートは、汗や尿からの排泄が増加するので、亜鉛欠乏性貧血が見られることがあります。また、アルコールの過剰摂取や過度のストレスでも大量に消費されるといわれるので、気になる人は日常生活を見直してみましょう。
サプリメントなどによる過剰摂取には注意しましょう
口から入った亜鉛は、胃ではほとんど吸収されず、十二指腸や空腸で20~40%ほど吸収されますが、ほとんどは糞便を介して体外に排出され、尿や汗からも微量ですが排出されます。吸収された亜鉛は、血中に入り、全身の臓器に運ばれます。
体内では亜鉛が過剰にならないように調節され、通常の食事による、亜鉛の過剰摂取の可能性は低いといわれています。また、亜鉛は毒性が極めて低いとされているので、通常の生活では過剰症が問題になることはあまりありません。
しかし、サプリメントなどによって継続的に過剰摂取した結果、様々な健康被害が生じる恐れがあるので、サプリメントを利用する場合は注意が必要です。
- 銅などのミネラルの吸収を阻害
- 貧血
- 免疫障害
- 神経症症状
- 下痢
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低下
などを招く可能性があります。
そして摂取量だけでなく、飲むタイミングもできれば食間など、食物が腸にない時に摂取する方が望ましいと考えられています。それから、医薬品との併用も気をつけなければなりません。
- キノロン系
- テトラサイクリン系の抗菌薬
- 関節リウマチの治療に使用されるペニシラミン
- サイアザイド系などの利尿薬
など注意が必要です。
これらは亜鉛のサプリメントと一緒に摂ると、互いに吸収を阻害するなど、マイナスの相互作用を引き起こす恐れがあります。医薬品を定期的に服用している人が亜鉛のサプリメントを利用する際は、医師などの専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
必須ミネラルである亜鉛は、乳腺を増殖させる女性ホルモンの分泌量を増やし、クーパー靭帯や大胸筋などに必要なタンパク質とDNAの合成にも関与します。適切に亜鉛を摂取することがバストアップに繋がります。
亜鉛は、味蕾や皮膚などの細胞の新陳代謝を行ったり、女性ホルモンや男性ホルモンに作用したり、免疫細胞や抗酸化作用を活性化したりします。また、神経細胞の伝達をスムーズに行うことで精神を安定させるため、内面の健康にも重要です。
亜鉛を多く含む、牡蠣や牛もも肉、レバーなどの食品と共に、亜鉛の吸収を促進する働きがあるクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質を含む食品を一緒に摂りましょう。これらを鍋物にするような場合は、汁ごと食べたりするなどの工夫をしましょう。
亜鉛が不足すると、様々な悪影響が体に起こることがあります。例えば、味覚障害・皮膚炎・脱毛・成長障害・食欲低下・貧血・下痢・骨粗しょう症・性腺機能不全・口内炎などの症状が出たり、傷が治りにくくなったり、感染症にかかりやすくなったりといったことです。
亜鉛が不足する要因には、少食や偏食のほか、ライフステージなどが関わることがあります。赤ちゃんの亜鉛不足の母乳による亜鉛摂取不足、高齢者に起こりやすい吸収不全、早期産の赤ちゃんやスポーツ選手などに起こる需要増大、治療薬や透析などによる排泄増加などがあります。
サプリメントなどにより亜鉛を過剰摂取すると、銅などのミネラルの吸収を阻害し、貧血・免疫障害・神経症・下痢などを招く可能性があります。また、飲むタイミングや医薬品との併用にも気をつけましょう。
この記事の執筆者
佐藤 由加里 バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール |